中国進出インタビュー

第 89 回「日本と中国を結ぶ貿易実務サポート」日通商事

图片1.jpg日本にとって中国は一番の貿易相手国であり、多くの日本企業が中国と輸出入業務で関わっています。いまだ中国企業から新たに製品を輸入したい、中国の企業へ日本製品を輸出したいニーズは続いていますが、その中で多くの中堅中小企業にとって障壁となるのが貿易業務です。既に輸出入業務を中国系の商社に任せている企業からは商社の取引金額が不透明、対応が心配という声も聞かれます。

今回はこの企業の悩みを解決すべく、日本の中堅中小企業の貿易実務をサポートする日本通運グループ/日通商事株式会社中国現地法人/日通商事(上海)貿易有限公司の岩木総経理にお話を伺いましたので、ご紹介します。

 



貿易実務代行

 日本通運といえば物流ですが、私達日通商事は日通グループの一員として企業の海外に売りたい、海外から買いたいという国際貿易の「商流」をサポートしています。いわゆる商社の位置付けになりますが、他の商社とは異なる点がございます。

まずは価格設定。企業が商社経由で中国へ輸出する場合、一般的な商社であれば商品価格に加えて商社手数料と物流費、在庫・為替・品質リスクを乗せた価格設定を行います。しかし在庫等リスクを加算しますと最終価格が高くなり、間に入っている商社のマージンが見えづらくなってしまいます。そこで、弊社では在庫・為替・品質リスクはもたず(お客様がリスクを負担する)、商品価格とは別で商社手数料と物流費のみを頂戴しています。例えば日本のお客様が100円の物を中国企業へ販売したければ弊社はマージンを乗せることなく100円で中国企業へ販売し、実務の工数に応じた手数料を頂戴している形です。このように商品単価と貿易に関わる手数料を明確化することで、中国から輸入する際の仕入れコスト低減だけでなく、中国への販売時には顧客への販売価格の低減も図ることが出来ます。

 

ルーティン業務のアウトソーシング

图片3.jpg弊社のサービスを具体的にご説明しますと、お客様である日本企業と、貿易相手である中国企業との間に、弊社が売買の当事者として参加し、①輸出入、②納品管理、③受発注・決済、④海外オペレーション、⑤在庫管理機能のサービスを提供しています。

これから中国へ新たに輸出業務を始める場合、輸出業務には「納期管理、貿易実務、代金回収」という工程が必ず発生します。これは貿易業務に慣れていないお客様にとっては非常に煩わしい業務です。そこで、弊社がその煩わしい業務を代行することで、お客様は事務負担の大幅な削減を図ることが出来ます。
 

图片4.jpg 自社で採用したスタッフの業務内容のうち、仕入先の選定や価格決定、生産・品質管理を「コア業務」、発注業務や支払業務、納期調整を「ルーティン業務」と分けた場合、「ルーティン業務」を弊社へアウトソーシングすることで、自社スタッフを「コア業務」に集中させることが出来るといった効果も期待できます。また月によって貿易の業務量の変動が多い企業の場合、貿易専門のスタッフを雇用しても貿易業務が発生しない時期があるかもしれません。そのことを考慮すると、貿易業務をアウトソーシングすることで、取扱量が少ない時期の利益圧迫を回避することも出来ます。

 



日本と中国を結ぶ「調達サポート「メンテナンスパーツ輸入代行

ご案内しましたとおり、弊社はお客様の貿易実務を代行することで、お客様の「商流」をサポートしていますが、現在、貿易や中国企業との売買に不慣れなお客様、特に中小企業様に対しては「調達サポートサービス」をお薦めしています。

中小企業様の実情を考えた場合、中国企業から商品を輸入したいけれど、貿易実務に慣れていない上、中国企業とのコミュニケーションに悩まれている企業は多くいらっしゃるのではないでしょうか。そこで貿易実務能力と日本語対応可能な中国人スタッフを揃える弊社が、日本の中小企業様と中国企業の間に入り、相手企業との連絡から商品管理、貿易実務に至るまでサポートするサービスの提供を開始致しました。このようなサービスは日本の同業他社でも手掛けていません。中国企業の中には対応する企業はあるかもしれませんが、中国企業へ業務を委託することに不安を感じる方もいらっしゃるでしょう。そこで、日通グループである弊社が日本の中小企業様が安心して任せられる高い品質のサービスを提供させて頂いています。

また最近では「メンテナンスパーツ輸入代行」のお話も頂戴する機会が増えてきました。これは、中国で設備を導入しているメーカー様が、その設備を修理したい場合、多くの設備の部品を輸入しなければなりません。しかし一概にメンテナンスパーツを輸入すると言いましても、部品数が多く、その部品に関する知識が少ない上、その部品を輸入するための経営範囲を要していなければ中国では輸入できません。このような企業の悩みに対し、経営範囲上で多くの商品を取り扱える弊社が間に入り、日通グループのグループ力を活かして、お客様の代わりにメンテナンスパーツを輸入代行しています。このサービスは、中国に進出しているメーカーのサポートだけでなく、中国に拠点がない日本のメンテナンスパーツ販売会社のアフターサービスを支援することにも繋がっています。

 

「ダンピングコイルバネ」

5.jpg6.jpg最近では、これらサービスに加え、日本で展開していた「ダンピングコイルバネ」の中国販売も手掛けることになりました。「ダンピングコイルバネ」とは、通常のバネよりも振動・衝撃を吸収する特許技術を用いたバネで、振動に弱い精密機器や医療機器などに対し、陸海運あらゆる輸送方法で用いることが出来ます。通常、振動に弱い機器を運搬する場合、エアサス車を活用する企業が多いでしょうが、「ダンピングコイルバネ」はエアサス車を凌ぐ防振技術の上、陸送以外の空輸・海運などのシーンでも活用することが可能という点で注目を集めています。

「調達サポートサービス」や「ダンピングコイルバネ」など、私が2015年に総経理として中国に着任してから新しいことを手掛けてきました。着任するまで出張ベースで中国に関わっていましたので、中国ビジネスについて理解はあったものの、実際に着任してみないと、日本企業、特に中小企業様のお悩みというのは分かりませんでした。これからもこの企業の悩みを解決できる商品やサービスを新たに展開し、日本企業の中国ビジネスの手助けになれればというのが私の思いです。中国企業との貿易実務でお困りの方がいらっしゃれば、是非お気軽にお問合せ下さい。

 

※会社情報

日本本社/日通商事株式会社

現地法人/日通商事(上海)貿易有限公司

<電話番号>+86-21-5106-1164

 

聞き手=綺羅商務諮詢(上海)有限公司 蓑田

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