中国進出インタビュー

第 84 回「子供たちにワクワクする乗り物体験を」豆魚雷貿易(上海)有限公司
 
皆さんは初めて自転車に乗れた時の記憶を覚えているでしょうか。中には何度も練習をしては、転んでひざをすりむき、やっとの思いで乗れるようになった方もいらっしゃるかと思います。ところが、最近ではすんなりと乗れるようになる子供も比較的多いようです。その要因として、数年前から流行っているペダルなし自転車により、幼少期よりバランス感覚を身に着けている子供が増えてきているからとも言われています。
今回は、中国にてバランスバイク「ストライダー」の販売を行っている豆魚雷貿易(上海)有限公司(株式会社豆魚雷中国現地法人)の岡島総経理より、現地法人の立ち上げや、中国での事業展開につきお話を伺いましたのでご紹介致します。
 
 
◆ ストライダーについて
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<岡島総経理(左)、梁氏(右)>
弊社が取り扱っている「ストライダー」は、バランスバイクと呼ばれる子供向けの玩具の一種で、ペダルとブレーキのない二輪車です。小さな子供が、自分の足で地面を蹴って進み、自分の足で止まれるよう重量は3kgと非常に軽く、転倒時にハンドルがロックされて子供に衝撃が加わることがないようハンドルは360度回転するように設計されています。誰でも直感的に操作ができ、繰り返し遊ぶことで自然とバランス感覚が養われ、自転車にもすぐに乗れるようになる訳です。
ストライダーは、無駄をそぎ落したシンプルなデザインや、ハンドルやホイールなどの各種パーツを交換できる点に特徴があります。親が子供のためにオリジナルのストライダーを作ってあげるなど、子供と親が一緒になって遊ぶことのできるコンテンツとしても多くの方に愛用されています。なおストライダーは、もともとはアメリカで生まれた商品ですが、2歳児から5歳児を対象に、現在では世界各国で累計200万台程度販売されています。
弊社の親会社である株式会社豆魚雷は、1995年に創業した「おもちゃ」の会社で、他にもアメコミのフィギュアの販売などの事業を行っていますが、ストライダーについては、アメリカ本社と総代理契約を結んでおり、日本および中国で唯一の正規販売代理店として展開しています。
 
◆ 中国進出について
ストライダーは約10年前にアメリカにて販売が開始された商品ですが、現在、その大きな市場はアメリカおよび日本となっています。中国は以前より開拓をしていきたい市場でしたが、様々な理由によりアメリカ本社も踏み出せないでいたことから、弊社の親会社が直談判し輸入権を獲得、2015年6月に現地法人を立ち上げることとなりました。
会社設立においては、外部コンサルタントの力を借りず私が単身で中国に乗り込み登記する場所を探すところから始めました。もともと中国に縁も所縁もなく中国語を話せた訳でもなかったため、初めは何から行えばよいのかも分からずに苦労しましたが、人から人を紹介していただき、その方々のサポートもあり何とか形にすることができたと感じています。
しかし、会社設立後も中国の法令に対応することに頭を悩ませました。中国にはCCC認証(3C認証)と呼ばれる中国国内で販売される製品の安全性等に関する認証制度があり、基準を満たさない製品の販売はできませんが、このCCC認証の取得がうまく進まなかったのです。弊社はメーカーではなく、あくまで販売代理店であるため、アメリカ本社に対応を依頼し工場に投げかけてもらうこととなりましたが、制度内容自体をきちんと把握できていなったこともあり、認可が下りるまで何度も当局とやり取りをするなど、やきもきすることもありました。最終的には基準をクリアし、販売することができるようになりましたが、認証取得までに1年近い期間を要してしまいました。
現在中国で販売されているストライダーの80~90%近くは実店舗によるオフラインでの販売となっています。日本では、百貨店や、ビックカメラ・東急ハンズなどの総合ショップ、スポーツショップなどで取り扱っていただいていますが、中国ではそういった総合ショップが受け入れられていないこともあり、自転車屋や専門ショップ、ベビー用品店などで販売しています。また、昨年よりアリババグループの運営する「天猫(Tモール)」や、「京東」といった大手インターネットショッピングサイトでの取り扱いも開始しており、今後はネット販売にも強化していきたいと考えています。日本で今後、ストライダーが爆発的に普及することは考え難いですが、中国には日本以上の潜在ニーズがあるものと考えており、伸び代は日本以上にあると思いますので、今後も試行錯誤しながら展開していきたいです。
 
 
◆ 中国でのプロモーション活動
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<ストライダーカップの風景>
現在、中国でのプロモーション活動の中で効果が出始めているのが、バランスバイクを使ったレースイベントの開催です。2017年は、上海・北京・広州などの中国5都市で1,100人以上の子供が参加しました。また今年は、中国12都市で累計4,000人以上の参加者を集める予定です。この他にも、今年の4月にはアジア各地のチャンピオンを集めた「アジアンチャンピオンシップ」も開催する予定で、海外からも多くの方々にご参加いただきます。
子供も親もですが、皆、交流の場や、人と仲良くなるきっかけを探しているように思います。特に中国は一人っ子社会で兄弟がいない子供が多いため、日本以上にそれが求められます。我々としては、ストライダーを使ったレースイベントや、クラスを開催するなどで、そういった場を提供できればと考えています。実際、イベント開催時は、ただそのイベントを開催するのではなく、例えばイベント終了後に参加者同士が触れ合うための食事の機会を設けたり、有志を募ってイベント開催地の名所を観光したりといった企画も設けています。こうした取組みをすることで、ただ商品としてストライダーを販売するのではなく、プラスアルファの付加価値を付けて、ストライダーの世界観を楽しんでいただけたらと思います。
今後も家族や他人とのコミュニケーションツールとして、「ストライダー」を中国でもより多くの方々に知っていただけると幸いです。
 
※会社情報
本社/株式会社豆魚雷(八千代銀行高円寺支店取引先)
現地法人/豆魚雷貿易(上海)有限公司
(ホームページ)http://www.strider-cn.com/  
(電話番号)+86-21-5236-1103
 
 
 
聞き手=都民銀商務諮詢(上海)有限公司 小原
お問い合わせは tomin_shanghai@tomin-bc.com.cn まで
 

 

 

 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 

 

 

 
 

 

 

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