中国進出インタビュー

第 83 回「人事評価制度だけで利益が3割上がる!」明日之団(上海)人力資源管理有限公司
 
中国で会社運営している人の共通の悩みが「労務問題」。上がり続ける人件費、処遇や解雇に伴う労働争議など、労務で悩みを抱えていない会社は中国に存在しません。一方、日本では賃上げ・残業問題を機に生産性向上・働き方改革が注目を集めています。
日本で人事評価システムを提供することで企業の働き方改革の実現をサポートしてきた株式会社あしたのチームが中国・上海に進出しました。人事評価システムが企業にどのような好影響を与えるのか、あしたのチームは中国でどのように展開していくのか、株式会社あしたのチーム中国現地法人/明日之団(上海)人力資源管理有限公司の位高副総経理にお話を伺いましたので、ご紹介します。
 
 
◆ 昔ながらの人事評価
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位高 副総経理
現在、日本政府は働き方改革を進める中で、人事評価システムを導入・運用して生産性を上げた企業に対して人事評価制度等改善助成金を出すほど、日本では人事評価に注目が集まっています。
人事評価と働き方改革には緊密な関係性があります。現在、日本企業は働き方改革の一環で残業時間を制限するケースもありますが、日本人は残業代で所得を稼ぐ傾向がありますので、残業時間の制限は不平不満を生みます。一方、企業は蓄積した内部留保を従業員にどう再分配すれば良いか分からない状況でもあります。
このような環境の中で、私達は従業員の基本給を上げていきたいという思いがあります。しかし従業員全員の給料を一律に上げる行為は社内に不平等を生みます。日本では勤めた年数に応じて昇給する勤続給という集団管理型の人事評価・給料制度が主流でした。しかし終身雇用が必ずしも保証されない時代になり、年功序列や労働時間だけが評価される制度では、会社に利益貢献している社員から見ると不平等であると認識されてしまうのです。そこで私達は評価基準を明確にして、優秀な従業員の給料を上げ、目標を達成できない従業員にはマイナス査定を導入することを企業に推奨しています。
中国では物価上昇率にあわせて従業員の給料を平等に昇給する会社が多いです。しかし平等に昇給してきたことで、優秀な社員が先に退職して悩んでいる総経理にお会いすることがありました。
 
◆ あしたのチーム誕生
平等に昇給したことで優秀な社員が辞めてしまう。実はこの話と同じことが数年前にありました。弊社創業者の高橋は、前職でプリモ・ジャパンというブライダルリング販売業の取締役副社長を務めていました。プリモ・ジャパンは今では年商約200億円、従業員800名のメジャー企業ですが、高橋が在籍していた当時は従業員が30名というベンチャー企業から400名超の企業へと急成長している段階で、人事のトップであった高橋は事業拡大に応じる形で全社員の給料を一律1万円上げることにしたのです。ベースアップすればどんな社員も喜ぶと思ったのですが、実際には想定と逆のことが起りました。社員からは不平不満が続出し、優秀な社員の離職に繋がってしまったのです。さぼっている人も、会社の利益に貢献した人も同様に扱われたことが、後者からするとどれだけ努力しても報われないと感じる結果、つまり「平等という名の不平等」を生み出していたのです。その時に高橋は人事評価の重要性を実感し、人事評価制度の研究を重ね、社内改革を行いました。改革の結果、優秀な社員の離職率が低下し、業績が伸びることとなりました。そして、その人事評価制度を商品化し、独立して立ち上げたのが「あしたのチーム」なのです。
 
 
◆ 「おせっかい」「ゼッタイ!評価」
弊社サービスについてご説明致しますと、人事評価制度がない企業に対しては制度の立上からお手伝いしますが、弊社の特徴は、たんに制度を作って終わりにするのではなく、制度がしっかりと運用できるまでサポートを徹底するということです。人事評価制度は作っているときはワクワクして楽しいものなのですが、制度を作るのが目的ではありません。制度の運用を成功させることが大事だと私達は考えています。
制度導入にあたって、まず企業に代わって、従業員の前で制度を導入することの意義をしっかりと説明します。給料はその人の人生に関わりますので、制度の理解は重要です。そして従業員に対して目標設定のための研修を実施します。目標設定することは非常に難しく、日本の中小企業でも目標設定したことがない企業が多く、中国の企業も従業員自身が目標設定するケースは少ないでしょう。目標設定にあたり文章の添削も弊社で行いますが、積極的に努力しますといった抽象的な言葉遣いはNGです。目標を具体的、定量化できるよう指導しています。
その他、評価する側の管理者研修、目標設定シートの期日管理など、弊社の強みである人事評価のクラウド運用を活用して、その企業の制度が内製化できるまでおせっかいと言われて嫌われものになるくらいサポートを行います。
人事評価は評価する側も評価される側もトレーニングが必要です。今までお会いした企業の中には「うちの会社には早いよ」「うちの社員は目標設定できないよ」とコメントする方もいらっしゃいましたが、トレーニングを通して従業員の目標設定の仕方も変わり、管理職のフィードバックが精密になるなど、社内が変わってきた企業を沢山見てきました。
制度導入にあたり、抵抗感をしめす従業員もいましたが、弊社の人事評価というのは「ゼッタイ!評価」という商材のネーミングにもなっている通り、相対評価ではなく、絶対評価を行います。今まで多くの企業が相対評価を用いて人事評価をしていました。相対評価というのは社内の同僚との争い、社内での序列を決めて評価を行い、序列にそって給料分配するものですが、絶対評価というのは他人との争いではなく、自分自身で立てた目標を達成すれば給料が上がるものなのです。
そして企業にとっても、従業員の仕事の成果や質が正しく評価されることで、①企業の生産性向上、②管理職マネジメントスキルの向上、③優秀な人材の離職率の改善、④採用力の強化という効果を生み、企業の持続的な成長に繋げることができます。
 
◆ 中国進出、中国赴任
あしたのチーム式の人事評価制度というのは、日本の事情だけに合わせて作ったものではなく、グローバルスタンダードに成りえるものであり、台湾は3年前に、シンガポールは2年前に進出。欧米含めたほかの海外への進出も視野に入れています。中国はマーケットを考えてまずは上海へ進出しましたが、上海だけでなく広州など中国全土での展開も計画しています。
私自身初めての海外駐在なのですが、中国へ赴任してみて、日本との違いを感じることもありました。上海赴任前は沖縄拠点の支社長をしていましたが、お客様の殆どがオーナー企業ということもあり、オーナー企業を対応する苦労もあった反面、自身の提案をオーナーが即決してくれるというやりがいも感じていました。一方、中国に赴任してみますと、お客様が中国現地だけでは決断できず、日本本社の決裁をもらわなければいけないということに不安を覚えたこともありました。
しかし中国のお客様と接する中で実感しているのは、人事に関する課題は数多くあるということです。中国人特有なところで、中国人は目先の利益を優先する、日本と比較して愛社精神が薄いというところもありますが、そのような人達も会社の大切な資産ですので、会社に残ってもらわなければなりません。お客様からは、最近は中国でも人材の採用・確保が難しくなってきている、人を育てていかなければ会社の将来があぶないという話も耳にします。
日本と中国では法律などの違いは当然ありますが、ベースとなる働く人については変わりありません。弊社は日本で既に1,100社、10万人以上の方と面談を重ねてきた十分な実績・ノウハウがあり、大量のデータを参考に、中国においても、どの業種のお客様にもマッチする人事評価システムを設計することが可能です。今後、中国に進出している日系企業のみならず、中国ローカル企業へのアプローチも行い、あしたのチーム式人事評価制度を中国全土にも広めていきたいですね。
人事評価で御悩みの方がいらっしゃいましたら、是非お気軽に弊社までお問合せ下さい。
 
※会社情報
本社/株式会社あしたのチーム (東京都民銀行 本店営業部取引先)
現地法人/明日之団(上海)人力資源管理有限公司
(ホームページ)http://www.ashita-team.com/  
(電話番号)+86-(21)-6057-7240
 
 
 
聞き手=都民銀商務諮詢(上海)有限公司 蓑田
お問い合わせは tomin_shanghai@tomin-bc.com.cn まで
 

 

 

 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 

 

 

 
 

 

 

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