中国進出インタビュー

第 81 回「売上拡大のためのモバイルシステム」若尓丹(上海)軟件開発有限公司
 
多くの日系企業が課題として挙げる「中国国内販路開拓」と「中国人人材の活用」。しかし中国は国土(営業範囲)が広い上、中国人従業員の中には上司の目が届いていないところで真摯に業務に取り組まない人材も多いため、想定通りの国内販路開拓が出来ていない企業もあります。今回は、この課題を解決するソリューションを提供するジョルダン株式会社中国現地法人/若尓丹(上海)軟件開発有限公司(以下、ジョルダン上海)の結川総経理にお話を伺いましたので、ご紹介します。
 
 
◆ 業務内容
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(左奥)馮 副総経理 (右奥)結川 総経理
(左前)営業部/周佳虹(右前)営業部/呉 士良
このジョルダン上海は、もとはジョルダン日本本社とは関係が無く、私が上海で立ち上げた会社なのですが、ある縁からジョルダングループに参加することとなりました。現在このジョルダン上海ではジョルダン日本本社を含めた日本向けオフショア開発、中国国内向けでは現地企業向け受託ソフト開発のほか、ジョルダンが強みとしてもつ位置情報管理システムを活用したソリューションサービスの提供を行っています。従来、当社業務はオフショア開発の割合が多かったのですが、オフショア開発業務は安定しません。そこで現在は業務の安定化を図るために、中国国内向けのサービス提供に注力しています。
 
◆ モバイルOAソリューション
中国国内で広く営業活動を展開している経営者の話を聞いていますと、共通の悩みとして挙がるのが「外勤者の管理」です。中国国土は広く移動に時間を要するため、上司が部下と共に行動することは難しく、日本以上に外勤者の行動に目が届きません。そのため、中国の営業現場では「訪問したと報告があっても実は訪問していない」「顧客先から、来ると約束しても来ていないクレームを受ける」というのが実態で、外勤者の行動が売上に直結せず、目標通りの売上計画を達成できていない企業も多くいらっしゃいます。
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この企業の悩みを解決するのが、当社のモバイルOAソリューションです。モバイルOAソリューションの仕組みを簡単に説明しますと、外勤者は自分のスマートフォンに専用アプリをダウンロードすることで、ジョルダンの強みである位置情報管理システムを用いて、管理者は外勤者の位置を一元的に把握、そして外勤者も外部から手軽に社内報告ができるといったクラウドサービスです。
システムの主要機能として外勤者の行動確認、物流貨物移動の追跡、出退勤管理や残業・休暇報告、位置情報・時間付の写真を添付した社内報告などがあり、お客様の要望に応じてカスタマイズしてサービス提供しています。このサービスの導入目的は単なる外勤者の行動管理ではありません。管理者と外勤者双方で情報をより効率的に、そしてタイムリーに「見える化」するところにあります。
 
 
◆ 導入事例
システムを導入した生活用品メーカーの事例をご紹介しますと、同社は生活用品を中国で生産し、中国国内のスーパーや薬局で販売していましたが、スーパーや薬局を巡回する外勤者の行動が不透明で、スーパー等で設置している同社の特設ディスプレイが活用されているのか把握できていないのが課題でした。
そこで、同社はこのモバイルOAソリューションを導入。導入したことで、巡回する外勤者はいちいち帰社後に報告書を書く必要も無く、訪問した店舗で同社商品が陳列された特設ディスプレイを撮影し、その画像と共に在庫・販売状況の情報をアプリ上で登録することで社内報告が出来るようになりました。会社としてはリアルタイムで報告が受けられる上、撮影した画像から位置情報・訪問時間が把握できるため、遠方にいる外勤者の行動が分かるようになりました。
このシステムを導入した他の企業からは「直行直帰が多い外勤者の出退勤管理が出来るようになった。」「外勤者の行動履歴が地図上に表示されるため、担当エリアの重複が解消した。」「外勤者が地方都市を巡回するケースも多く、安否確認などの危機管理にも役立つ。」という効果が見られ、当初は一部地域で限定的に試験導入したお客様も今では全国的にシステムを導入頂いており、システムを使いこなしているお客様は、どこも確実に売上を伸ばされています。
 
◆ 目的は従業員の監視ではない
このモバイルOAソリューションの話をしますと、経営者の方は課題を解決できる手段として皆様から導入に前向きな発言を頂きます。しかし導入される従業員側からすると、自身の行動管理が強化されるだけの印象が強く、反発の声もあります。
しかし、このシステムは単に従業員の行動を監視する手段ではありません。会社の売上を上げるためのシステムなのです。外勤者は煩わしい報告書の手間が簡素化されることでより売上のための行動、自身の評価を上げるための行動に注力できます。そもそも「お客様との時間通り訪問する」「担当店舗を巡回し、決められたことを確認する」というのは当然なことであり、それを厳密にされることを嫌がること自体がおかしなことです。
会社としても、目が届きづらかった外勤者の行動を把握できることで、この外勤者はちゃんと行動しているのか疑う必要もありません。書面だけの報告だけでなく、「見える化」することで、外勤者の勤務態度が把握でき、優秀な外勤者へのインセンティブ・不真面目な外勤者への罰と指導など平等な従業員評価に結びつけられます。
このシステムの導入費用ですが、決して高額なものではありません。お客さまごとにカスタマイズする内容にもよりますが、管理者1人につき500元/月、外勤者のスマートフォン1台につき50~70元/月というのが目安です。このシステムを導入する業種は様々で、消費者向けの商品を販売している企業だけでなく、物流会社や保守点検が必要な企業にも導入頂いております。是非、多くの企業様にこのシステムを活用して、中国人従業員と共に売上拡大・業務効率化を図って頂きたいですね。
 
※会社情報
本社/ジョルダン株式会社                                    (ホームページ)http://www.jorudan.co.jp  
現地法人/若尓丹(上海)軟件開発有限公司      (住所)上海市黄浦区延安東路175号 旺角広場1108室
                                                                 (電話番号)+86-21-5836-5030
 
 
 
聞き手=都民銀商務諮詢(上海)有限公司 蓑田
お問い合わせは tomin_shanghai@tomin-bc.com.cn まで
 

 

 

 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 

 

 

 
 

 

 

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