中国進出インタビュー

第 79 回「映像コンテンツとITを活用し現地スタッフの戦力化を支援」上海列必客科技有限公司
 
企業が存続し、発展を遂げていくためには、人材の育成が重要な要素となります。中国においても近年、経済発展に伴い人材育成に注力する企業が増えてきており、優秀な人材を育て上げるため、社内の研修制度を強化する企業も多く見受けます。一方で、長い期間や多額の費用を掛けて育成した人材が辞めてしまうリスクなどもあり、人材育成のやり方には多くの企業が苦慮されています。
今回は、中国で企業向けに映像とITなどを活用した「eラーニング」や、そのeラーニングと集合研修の「ブレンディング研修」の提供を行っている上海列必客科技有限公司(株式会社レビックグローバル、上海現地法人)の斎藤董事長に、中国ビジネスへの取り組みと提供サービスについて伺いましたので、ご紹介致します。
 
 
◆ 上海列必客科技有限公司
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董事長/斎藤 茂清氏
当社の親会社である株式会社レビックグローバルが発足したのは2005年のことで、前身の会社は、もともとリクルート社の関連会社として企業向け研修用教材の開発事業を中心に行っておりました。当社は、十年以上も前より中国ビジネスを展開しており、かつては北京・大連にも拠点を構えていたこともあり、中国事業における知見、ノウハウは社内に蓄積されておりました。その様な経緯や、中国経済の発展に伴う人材育成ニーズの更なる高まりにより、2012年2月にここ上海に拠点を構えることとなったのです。
現在、上海現地法人では、日本の親会社と同じビジネスモデルで事業展開をしており、主に現地の日系企業向けに、企業の人的課題に対し映像とITを駆使したeラーニング教材を用いて、解決へと導くお手伝いをさせていただいております。具体的には、ご契約いただいた企業様にeラーニングプラットフォームをご利用いただいたり、動画やDVDの汎用教材を提供したりしており、教材については日本で販売しているものを、現地の慣習やニーズに合わせる形でローカライズして提供しております。また多くのお客様向けに、「営業担当者教育」「接客スキル向上教育」「技術者教育」などをテーマとした、その会社オリジナルの教材を当社で制作し、提供することも行っております。
 当社の教材の大きな特徴として、「映像」を多く活用している点が挙げられます。例えばケーススタディの映像ドラマを活用することで、行動変容・意識変容をより容易に促すことができます。「映像」となりますので、活字を追って読むのではなくイメージで目に入ってくるため、受講者側としても大変分かり易く、その点は当社が長年培ってきた教材開発の強みといえます。
 
◆ 中国での事業について
日本と比較して人材の入替りが激しい中国では、従業員教育において日本のような前もって時期を定めた計画的な研修だけでなく、個々人の能力に応じた研修を随時実施する機会も多く、そのような研修で当社の教材を活用し、業務水準の平準化・業務品質の向上を図る企業が多く見られます。またこれはeラーニング教材の強みですが、研修を受ける各従業員に対して全く同じ内容の学習を提供することができるため、社員教育の質を一定に保つことができます。広大な中国では同じ講師が各拠点を回って従業員指導をすることは効率が悪く、社員を1箇所に集めることもコストが多くかかるため、当社の提供するeラ-ニングシステムと教材を使うことで、その課題をクリアすることができるという訳です。なお上海現地法人のお客様は、製造業のお客様も多く、エンジニア向けの技術教育などのカリキュラムを望む声も多いのですが、これも前述した視覚に訴える映像教材の強みによるものだと考えております。
かつての中国進出の日系企業では、日本の企業のビジネス活動の前提となっている「報・連・相」が徹底されていないといわれるなど、現地法人設立当初は、そういったビジネスの基礎を指導する教材も多く利用されておりました。しかし、現在では中国における人材育成のステージも変化してきており、これらの教材に加えて、中国人スタッフの管理者としての戦力化を目的に、「ロジカルシンキング」や「マーケティング」「経営戦略」など、マネジメントをしていく上で必要な知識やフレームワークを学ぶ教材が良く利用されております。これはやはり、現地の人材に対して、自らが「課題設定をする」「判断する」「問題解決をする」などの取組みを促し、現地化を図る企業が増えてきていることによるものだと考えております。
当社においても現在、上海拠点の運営を現地のスタッフに任せており、私は出張ベースで管理をしております。当社の従業員には設立当初から在籍しているメンバーも多く、またお客様の教育担当・人事担当の窓口も以前は日本人が担当していたケースが多かったのですが、最近ではその大半が中国人スタッフに変わってきているため、現地のニーズをより的確に捉え、スピーディーに対応することを、当社でも現地化を進める理由の一つとして挙げております。このような現地の状況の変化やニーズに応じて、教材のテーマや内容もローカライズしていくことが必要と考えています。
なお以前の日本人が中心となって教育・人事の担当をしていた時代は、担当の日本人が帰任してしまうと、急に教育方針が変わってしまうなどの問題がありましたが、現在では各企業において、人事制度や研修制度が確立してきているため、人が変わっても研修方針は変わらず契約が安定してきた点は当社にとって追い風です。
 
 
◆ 今後の展開
中国の市場を見ていると、製造業の企業もまだ多く、いまだに多くの工場が新たに建設されております。よって、ブルーカラー人材やそれを管理する人材の育成ニーズもまだまだ大きいのではないかと考えており、そういった人材を対象とした教材の開発も強化していくことを検討しております。また現在は、日系企業向けにサービスを提供していますが、将来的には中国のローカル市場にも入り込んでいきたいとも考えています。
現在、拠点を構えてサービスを提供しているのは日本と中国のみですが、一部、お客様との関係でシンガポールやタイでもサービスを展開している事例もあります。今後は中国以外の海外市場も見据え、グローバルな人材育成に携わっていければと思います。
※情報(URLご参照)
株式会社レビックグローバル   http://www.revicglobal.com/  
上海列必客科技有限公司   http://shanghai.revicglobal.com/  
 
 
 
聞き手=都民銀商務諮詢(上海)有限公司 小原
お問い合わせは tomin_shanghai@tomin-bc.com.cn まで
 

 

 

 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 

 

 

 
 

 

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