中国進出インタビュー

第 67 回「お客様目線にこだわるサービスを提供します」上海漫歩創媒広告有限公司(メディア漫歩)
 
日本人駐在員が上海で生活するために欠かせないものの1つが、日本人向けフリーペーパー。食事の場所を調べるだけでなく、中国の身近なニュースや生活に関するあらゆる情報を得るために必要なフリーペーパーを発行しているのが、広告会社の上海漫歩創媒広告有限公司(メディア漫歩)です。今回は営業部の菅原課長と落合氏に中国における広告宣伝の現状についてお話を伺いましたので、ご紹介します。
 

 

 

 

  

 
 

◆ 業務内容
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上海在住の日本人の方は、当社のことを1999年創刊の生活誌「Whenever上海」、2001年創刊の中国ビジネス専門誌「Whenever Biz CHINA」などフリーペーパーを発行している会社のイメージが強いかもしれませんが、当社は日本人向けフリーペーパーの発行だけではなく、パンフレットや飲食店メニュー等の印刷物の作成から、夏祭りなどのイベント企画まで、企業PRに関するあらゆる業務に対応しています。
中国には上海、江蘇、北京、天津、大連、広州の6拠点があり、総勢100名以上の従業員で取材から編集、デザイン、営業まで行っています。そのうち、日本人の数は大手企業並みの30人以上が在籍していますが、情報誌は単に広告だけを掲載しても読み応えがなくなるため、読者である日本人の皆様に読んで頂けるよう日本人の感覚を大切にし、企画・デザイン・編集は日本人が手掛けています。
 
◆ 中国人向けフリーペーパー「微帆」
フリーペーパーは日本人向けだけでなく、中国人のホワイトカラーに向けた中国語媒体「微帆」も発行しています。これは主に日系企業に勤める中国人ホワイトカラー(年齢20~30代)を対象に、日本旅行、グルメ、美容&化粧品、芸能ニュースなど日本に関する総合的かつ実用的な情報を提供するもので、現在発行部数80,000部、2,500箇所以上に配布しています。
中国人向けフリーペーパーの特徴は、SNS「微信(ウェイシン)」など電子メディアとの連動です。日本人は染み付いた習慣からか紙媒体の情報を好みますが、中国人の特に若年層は紙媒体に対する拘りがなく、SNSやネットで情報を拾います。そのため「微帆」も紙媒体と電子メディアを連動させていますが、SNS「微信」は読者だけでなく、読者の友人にも情報が伝わり、紙媒体の部数以上に情報の広がりをみせています。
近年「微信」は中国人に対する有効な企業広告となりましたが、「微信」を活用する企業が増えすぎたため、企業が発信する情報を読者が読みきれない状況が生まれてしまい、企業は自社の情報をいかに読者へ選んでもらうかが課題となっています。
この状況を解決するためには、単純に広告を出すだけでなく、体験イベントとの連動など企画力が重要になってきます。当社も編集長は20代の中国人女性を起用し、読者と同じ感性で紙面を作成するとともに約20年上海で培ったネットワークを生かした、異業種がコラボレーションした広告など様々な企画を提案させて頂いています。
 
◆ 日系企業の広告
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<ビジネス情報を集約した「Whenever Biz CHINA」>
ビジネス情報誌に広告を掲載する企業の業種は、以前は製造業が中心でしたが、現在ではその製造業向けにサービスを提供する企業(ITや自動化など)が中心となるなど、時代と共に移り変わってきました。
中国ビジネス専門誌「Whenever Biz CHINA」は、企業同士のBtoBを目的とした広告媒体ですが、単純な広告だけでは伝えきれないことが多くあります。そこで当社では読者目線の企業インタビューを多く掲載することで、企業が伝えたいことを記事として読者へお伝えしており、「Whenever Biz CHINA」は営業現場や展示会場など様々な場面で企業のPR資料としてご利用頂いています。
生活情報媒体での飲食店の広告については、毎月ニューオープンの店を数店舗紹介できる程、多くの飲食店が上海に進出しています。しかし掲載するのはニューオープンのお店だけではありません。上海で知名度がある飲食店も長年広告を掲載し続けて頂いています。これは、上海は飲食店の入れ替わりが激しい分、お店が閉鎖していないことをPRするために掲載するケースもありますし、日本人駐在員は数年に1度入れ替わりますので、新しく来る駐在者の為に広告を継続頂いていますね。
当社の強みは媒体のバリエーションの多さと、編集を中国で行っている点です。毎週発行の「らくらくプレス」や毎月発行の「Whenever」、その他にもビジネス誌、ゴルフ雑誌などさまざまな媒体がありますので、企業の状況に合わせて媒体や広告掲載方法を変えることが出来ますし、日本人が中国でインタビュー・編集を行うことで各業界の難しい話も読者目線で噛み砕いて伝えることが出来ます。
 
◆ 中国での広告宣伝
中国マーケットは、競合相手が中国企業や日系企業だけでなく、欧米や韓国企業など世界各国の企業と競争しなければならない厳しい環境です。その環境の中、中国でも日本製品・サービスは品質が高いと評価を受けていますが、世界各国の企業との競争を勝ち抜くためには、評価だけでなく、実物に触れたり、体験したりしなければ良さが伝わらないとも言われています。
また広告費の使い方も日本企業と世界の企業では違います。例えば3年間の広告費の予算配分を考えた場合、日本企業は予算総額を1年ごと3分の1に分けて使いますが、欧米企業では最初の1年目に予算総額の70%を使って広告宣伝を行いますので、消費者へのインパクトが異なります。
この競合の激しい中国市場で効果的な企業PRを行うためには、中国の現状を知ることが重要です。最近、企業が重要視している広告の1つがブロガーの活用です。先ほどお伝えしたとおり、SNS「微信(ウェイシン)」は企業宣伝に利用されていますが、このSNSでの口コミ情報を増やすために「微信」上で影響力の高いアカウント(KOL=Key Opinion Leader)を活用したプロモーションが効果的と言われています。そのため1企業が有名ブロガーと個人契約するケースも増えており、企業の商品発表の場では、メディアの記者の前にブロガーが陣取り、商品発表をブロガーがSNSを通じてリアルタイムで紹介するという光景も見られます。
 
◆ 今後の抱負
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<メディア漫歩 営業部の皆様>
<上段左から2人目が菅原課長、上段左から3人目が落合氏>
私達はもともと広告会社に勤めていた訳ではなく、全く別の業界で働いていたのですが、広告会社で働いて、自分自身の視野が広がりましたね。幅広い業界の方にお会いしますし、広告宣伝するためにお客様から様々なお話を聞きます。今まで知らなかった業界を知ることが出来ますし、経営者の視点も学ばせて頂けるので、広告の仕事は非常に面白いですね。
広告費というのは企業にとって決して安いものではありません。広告を掲載するからには、広告費以上の売上効果を出さなければいけません。これからも広告費を出してくれるお客様の期待に応えられるよう、お客様と共に良い広告を作っていきたいです。
中国では探したい企業をインターネットで検索しても、上手く情報がヒットせず、企業のホームページに辿り着くのが非常に難しいです。中国で良いサービス・商品を取り扱っている企業でも、その企業が中国に進出していることが知れ渡っていないことがよくあります。このようなまだ知られていない企業を、中国で周知させる方法を考えて、お客様に喜んでもらいたいですね。

※情報(URLご参照)

上海漫歩創媒広告有限公司(メディア漫歩):http://www.whenever-online.com/

※連絡先 / info@mediamanbu.com

 
 
聞き手=都民銀商務諮詢(上海)有限公司 蓑田 光
お問い合わせは tomin_shanghai@tomin-bc.com.cn まで
 

 

 

 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 

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