中国進出インタビュー

第 62 回「情報資産はアウトソーシングで進化する」万弼士文档信息管理(昆山)有限公司
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藤塚副総経理
中国で事業を継続し、業務を拡大するほど、保管すべき書類や処分しなければいけない重要書類が増えていきます。情報管理が厳しい日系企業の中には、膨大な書類・情報の管理・処分に頭を悩ます企業は多いのではないでしょうか。今回は中国で情報の管理・処分の問題を解決する、日本で情報資産マネージメントのリーディングカンパニーである株式会社ワンビシアーカイブズ中国現地法人/万弼士文档信息管理(昆山)有限公司の藤塚副総経理に中国への進出経緯や業務内容についてお話を伺いましたので、ご紹介致します。
 

 

 

 

  

 
 

◆ 中国進出の経緯
企業・団体にとって、事業を遂行するうえで欠くことのできない価値のある情報を「情報資産」と言いますが、私たちワンビシアーカイブズは一枚の契約書から膨大なデジタルデータの保管・バックアップ、そして確実な機密抹消を行う情報資産管理のプロ集団です。
経済発展が続く中国では、日系を含めた外資系企業のみならず中国企業においても情報資産管理に関するニーズが急拡大しつつあります。しかし中国国内で提供されていた同種の類似サービスは、必ずしもお客様のニーズに応えられるものにはなっていませんでした。そこで弊社が日本で提供している情報資産管理に関連するサービスが、中国でもお客様に大きな価値を提供できると判断し、2010年9月昆山市に万弼士文档信息管理(昆山)有限公司を設立し上海・蘇州地区でのサービス提供を開始いたしました。
 
◆ 業務内容
弊社は上海から車で1時間の距離にある昆山市に広さ2,000㎡、消防設備や空調保管庫、耐火保管庫を備えた情報管理センターを保有し、警備員と20台の監視カメラによる24時間365日の監視体制・三重の入退室管理システム・集配送時の専用特装車両など日本と同等のセキュリティレベルを確保して、お客様の大切な書類・データをお守りしています。
弊社が提供するサービスは主に①重要書類保管、②業務プロセスの受託、③データ・システムのバックアップ、④機密情報の抹消の4つに分かれます。
 
<書類保管に関わるサービス>
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昆山情報管理センター
書類の保管は、月額200元(最低保管料)からご利用が可能で、お客様からは経理・財務等の重要文書や図面、医薬品開発資料などをお預かりしています。最近、中国政府が財務資料の保管期間を15年から30年に延長することを決めたこともあり、増え続ける財務資料の保管ニーズは今後増えていくものと考えています。
ご存知の通り、上海ではオフィス賃料が上昇し続けており、オフィスを市内中心部から離れた場所へ移転する企業が増え、移転を機に弊社へ書類の保管や機密書類抹消処理をご依頼いただくケースが増えました。財務資料は保管義務があるものの、資料を見返すことが少なく、事務所内のスペースの確保を考えると、資料の外部委託はコストダウンに繋がります。
 
<業務プロセス受託サービス>
契約書類、融資関係書類、申込書ファイル等の検索・閲覧・電子化・データエントリ業務を承ります。かさばる書類をデータ化することにより事務効率を上げ、盗難・紛失リスクを軽減し、適正な保管期限の設定が行えます。
 
<データ・システムのバックアップサービス>
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三重の入退室管理システムなど
日本同等のセキュリティシステムを完備
後ほどご説明しますが、お客様が多く進出している上海にも災害リスクはあり、災害時のコンピューター障害やデータ消失に備えたオフラインのコンピューターバックアップサービスを提供しています。
 
<書類・磁気媒体の機密抹消処理サービス>
弊社が提供する機密書類回収ロッカー「RECOLO」や段ボール箱等を用いて情報記録媒体を回収し、機密の抹消とリサイクル処理サービスを提供しています。回収した段ボール箱は開封せず、専用の大きな洗濯機のような溶解処理機に投入し、機密文書を抹消処理しています。
書類やデータの処分に悩んでいるが、機密抹消処理を他社に委託できることを知らない企業は多いです。企業によっては会社の重要資料を従業員に機密抹消処理させるわけにはいかないので、総経理が休日に出勤して、大量の資料を一人でシュレッダーにかけている話もお聞きします。中国では機密抹消処理を依頼した業者から書類やデータが第三者に移転・転売されるご懸念があるかもしれません。そこで弊社では書類やデータの抹消自体は中国政府機関の廃棄処分場で行いますが、情報漏洩がないよう情報が抹消されるまで弊社スタッフが現場で立ちあい確認を行いますので、安心して機密抹消処理をご依頼いただけます。
 
◆ 中国事情
中国では文書の外部保管ビジネスの認知度と利用率が日本と比較して低いです。文書の外部保管はオフィス賃料と比較すると圧倒的にコストは安いのですが、認知度が低いことでご利用を躊躇されるお客様もいらっしゃいます。
また上海近郊は日本と比較して地震が殆どないため、震災に対する認識が低く、BCPの観点から必要な「データ疎開」の概念が浸透していません。上海は土地が低く、地盤も柔らかいことから水害リスクが存在するのです。またオフィスの火災リスクや、水回りが弱いことから配管の水漏れがあることもご認識いただきたいですね。
 
◆ 中国で苦労されたこと
初めての海外進出だったため、グローバルを意識した事業設計(労務管理、業務システム、営業体制など)が出来ておらず、最適な体制を構築するまでに5年もの年月がかかりました。
進出当時は中国で認知度の低い事業であったため、業務内容をお伝えするのに大変苦労しました。日本で業界最大手のワンビシアーカイブズというネームバリューも中国ではなかなか通用せず、営業でお会いした後にインターネットで弊社を検索して、初めて会社や業務内容を理解していただくケースもありました。しかし最近になり、中国に進出している日系企業も事業拡大に伴い、手が付けられていなかった文書などの情報資産管理の必要性を再認識し、以前お会いしたお客様から弊社へご依頼いただくケースが増えてきました。設立当初の苦労が種まきとなり、今になって結実してきたのを感じます。
 
◆ 今後の抱負・目標
以前と比較して、中国企業も情報資産管理・処分に関する認識が向上してきているのを実感します。最近では、日系企業という信頼性の高さから、中国に進出している欧米企業や香港・台湾企業からの問い合わせも増えてきました。同業の欧米・中国企業は文書保管に関して面倒な作業をしませんが、弊社では資料保管の箱詰めから台帳作成など痒い所に手が届くサービスを心掛けていますので、ご利用いただいたお客様にはご満足していただける筈です。
中国に進出する日系企業のお役に立つために、上海・昆山のみならず、中国主要都市への展開を検討しています。書類の保管や処分にお困りの企業様がいらっしゃいましたら、お気軽にお問合せください。
 
※情報・問合せ先(URLご参照)
日本本社/株式会社ワンビシアーカイブズ:http://www.wanbishi.co.jp
中国現地法人/万弼士文档信息管理有限公司
問合せ先/藤塚 副総経理   E-mail:fujizuka@wanbishi.cn
 
 
 
聞き手=都民銀商務諮詢(上海)有限公司 蓑田 光
お問い合わせは tomin_shanghai@tomin-bc.com.cn まで
 

 

 

 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 

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