中国進出インタビュー

第 57 回「日系企業の本業以外の業務をサポート」利楼福(上海)企業管理諮詢有限公司
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総経理/大木 延佳氏(左)

<営業/西潟 裕貴氏(右)>

初めての海外赴任には不安が付き物です。赴任するためにはどのような手続きが必要か、赴任後の生活は大丈夫か。これら駐在員の不安全てを解消するために、駐在員の海外赴任から海外生活までサポートしているのが株式会社リロ・ホールディングです。そして、株式会社リロ・ホールディングでは駐在員個人の悩みだけでなく、中国へ進出する日系企業の福利厚生もサポートしています。今回は株式会社リロ・ホールディングの中国現地法人/利楼福(上海)企業管理諮詢有限公司の大木総経理に中国の事業展開や日本と中国の福利厚生の違いについてお話を伺いましたので、ご紹介致します。
 

 

 

 

  

 
 

◆ 中国事業展開
リログループが考えるリロケーションとは、駐在する方が鞄一つで海外へ行き、そして日本へ帰国するまでトータルでサポートすることを目的としています。そして中国には、2011年に駐在員の中国赴任を現地でサポートする利楼可信(上海)企業管理諮詢有限公司(以下、利楼可信)を上海に設立しました。利楼可信ではビザ手続きから銀行口座開設まで、初めて中国へ赴任する人が安定した生活をスタート出来るまでサポートしています。
この利楼可信では当初駐在員の赴任サポートだけでなく、中国へ進出した日系企業向けの福利厚生サービスも行っていましたが、2015年には福利厚生サービスを分社化し、この利楼福(上海)企業管理諮詢有限公司(以下、利楼福)を設立しました。
現在では駐在員の赴任から生活までサポートする利楼可信と、日系企業の福利厚生サービスをサポートする利楼福の2社体制で、日本企業の中国展開をサポートしています。
 
◆ 福利厚生サービス「リロクラブ」
中国に進出する日系企業の大きな悩みの1つが、中国人社員への配慮です。社員の流出を防ぐ、または社員のやる気を起こさせるために、企業は社員旅行や食事会など様々な催しを毎年企画して、社員の会社への満足度を高めています。しかし社員全員を満足させる福利厚生制度を一企業が構築・維持するには、費用と労力の負担が大きいものです。
そこで、これら企業の福利厚生に関する負担を、アウトソーシングで請け負うのが「リロクラブ」です。企業が「リロクラブ」に加入し年間費を支払いますと、社員は旅行や食事、美容など様々な余暇を無料または割引料金で利用することが出来ます。「リロクラブ」は、企業に対しては福利厚生制度構築・維持の負担を軽減、社員に対しては自身の好きな福利厚生を選択可能と、企業と社員両者を満足させることが出来るサービスとなっています。
 
◆ 日本と中国の違い
弊社が対応する「福利」とは、社内制度のうち休暇制度や勤続報酬などを除き、社員旅行や健康増進、月餅など外部へアウトソーシング出来るものを指します。
日本の「福利」に対する考え方は、社員が安心して働ける環境づくりが軸にあり、最近では「健康」「育児」などがキーワードとして挙げられ、社員は会社が手配した福利メニューを自身の判断で利用できるという自立的な傾向にあります。反面、中国の「福利」は社員旅行や中秋節(9月頃)の月餅など全員が参加する又は全員へ配布する一律的な傾向があります。
中国では最近社員旅行、特に海外旅行を実施する企業が増えていますが、社員旅行の組み立て方にも日中の違いがあります。日本の社員旅行では旅行先の歴史や文化など見識を深める旅行を組み立てるケースがありますが、中国の場合は旅行先を満喫するのではなく、旅行=ショッピングと、買い物中心に旅行を考えている人が圧倒的に多いです。加えて中国は日本と異なり、中途採用者が多いことから社員同士の繋がりが薄く、本来交流や懇親を目的とした社員旅行が目的どおりには進んでいないと悩む日本人経営層も多くいらっしゃいます。
 
◆ 社員旅行
中国人社員へ希望する福利メニューを聞きますと、社員旅行が一番の人気です。社員旅行と言いましても、近場の観光地ではなく、飛行機に乗り、国内または海外への旅行を希望しています。もともと会社の福利厚生は「他社がやっているから、うちもやる」という認識で始めるため、横並びの内容になっているケースが多いです。そして最近では、社員の意見によって社員旅行の費用が年々高騰して困っている企業の声もよく聞かれます。
しかし日本人経営者にこの社員旅行や社内イベントにはご留意頂きたいです。あまり表立って話は出ていませんが、社員旅行や社内イベントには事故というリスクがついて回ります。日頃の労務問題については神経を尖らせている企業も、社員旅行で事故に巻き込まれた社員に対する補償まで気を回すことはありません。しかし実際に、ある企業では社員組合が主催したスポーツイベントで後遺障害を伴う補償問題が起きたとも聞いています。また社員旅行の事故で補償問題に発展した事例がWEB上で多く見かけます。
 
 
◆ 本業に特化できるようサポート
弊社では福利厚生を専門とする会社として、多様化する社員ニーズをいち早く捉え、ローコストで企業に福利厚生サービスを提供することを目標としています。そして弊社の仕入部門・カスタマーセンター・社員が直接お客様へ情報を提供するツールを用いることで、企業の総務担当者の手間を削減させることも可能です。
先ほど社員旅行のリスクの話もしましたが、弊社としては企業に対し、会社が主催する旅行に社員が参加する形ではなく、会社はあくまで弊社を通じて旅行などの余暇や健康増進のメニューを手配することまで責任をもち、実際の利用は社員個人の判断や責任で行ってもらうことで、社内旅行・社内イベントに対する会社のリスクを軽減されることをお薦めしています。
今後もリログループでは、この福利厚生サービスと駐在員赴任サポートを通じて、中国へ進出した日系企業が本業に特化できるようサポートして参ります。
 
※企業情報(URLご参照)
株式会社リロ・ホールディング
ホームページ:http://www.relo.jp
利楼福(上海)企業管理諮詢有限公司
ホームページ:http://web.relo-china.com
 
❒ 取材を終えて
賃金上昇が続いている中国ですが、無条件に昇給させ続けるのには会社として限度があります。そのため、今後ますます福利厚生制度の充実が重要になります。人材流出防止・社員モチベーション向上のために、自社の福利厚生制度を一度見直されてはいかがでしょうか。
 
 
聞き手=都民銀商務諮詢(上海)有限公司 蓑田 光
お問い合わせは tomin_shanghai@tomin-bc.com.cn まで

 

 

 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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