中国では日本と比較して、中国人従業員にしっかりとした教育を行えていない日系企業が多くあります。
今回はこの企業の悩みを解決するために中国へ進出した、日本で中堅中小企業の従業員教育を支援する株式会社ジェイックの上海現地法人：上海杰意可邁伊茲企業管理諮詢有限公司（以下、上海ジェイックマイツ有限公司）の知見寺総経理に日本と中国の違い、当社のサービス内容についてお話を伺いましたので、ご紹介致します
 

 

 

 

 

 

◆　中国進出の経緯
　中国での事業展開を決めたのは、香港と上海を視察した際、共同出資者となるマイツ・グループの池田CEOから「中国に進出している日系企業が、今後、生き残り・発展していくためには、人材教育が不可欠になる。しかし、今、中国で開かれている研修・セミナーは、高い費用を掛けて、講師を社内に招いて行う大企業向けの教育・研修と、1日だけまたは数時間だけといった単発の研修・セミナーに2極化しており、大多数の企業の教育ニーズにフィットする研修・セミナーが存在しない。」というお話を聞き、日本で社員教育事業を手掛ける当社の可能性と意義を感じ、中国・上海へ進出することとなりました。

 

◆　上海セミ・ホーダイ
　当社が日本でも行う「セミ・ホーダイ」とは、料金定額制で、1企業複数人の従業員が各階層や職種別の研修やセミナーに受け放題で参加頂けるサービスです。
　上海セミ・ホーダイは、日本で行っているセミ・ホーダイと内容が異なり、中国ビジネスの環境に合わせて、一から企画し直しました。講座は中国人従業員、中国人管理者、日本人赴任者・総経理という階層に応じた内容を揃え、月額5,000元という定額制で、全従業員どなたでも、身につくまで何度でも、継続して研修・セミナーを受講出来ます。ビジネスマンとしての基礎や管理者としての基本姿勢だけでなく、日系企業で働く上での基本・基礎を学んで頂くことを目的としています。
研修・セミナーの内容は、仕事に対する考え方から財務・労務・貿易・生産管理など様々な講義を揃えており、中国人従業員に対しては中国語で講義、日本人には日本語で講義を行います。
中国に進出する日系企業では、日本人管理者が多忙のため、中国人従業員一人一人に対してしっかりとした社内教育を行うには限界があります。そのため研修・セミナーでは、新入社員の中国人従業員には挨拶やビジネスマナーから学んで頂きますし、ワードやエクセルといったパソコンの実務まで学んで頂くことも出来ます。

 

◆　 日本と中国の違い
　セミ・ホーダイは、日本で400社に導入頂いた実績はありますが、日本人と中国人の違いから、受講内容や指導方法を変更しています。例えば、中国人従業員に挨拶を教える場合、日本の研修では社内やお客様へ挨拶するタイミングや仕方を教えるだけですが、中国の研修では挨拶する理由・メリットを教えなければいけません。上司・同僚・お客様に挨拶する、お客様の会社に入る前にはコートを脱ぐといった日本人ビジネスマンが自然と行える行動に対して、中国人従業員には何故その行動をしなければいけないのかという理由、その行動をすることによって相手が喜んで、自身にもメリットがあることを教えなければなりません。
 

　また「報・連・相」を中国人従業員に学んで頂くことも、日本と違い苦労します。日本人は細かな決めがなくとも「報・連・相」を行っています。しかし中国人従業員の場合は、この「報・連・相」のタイミングを理解するのが困難に感じられます。この「報・連・相」の違いを解決するためには、社内の良好な人間関係（コミュニケーション）と、日本式マネジメントスタイルの変化が必要です。欧米企業では、「報・連・相」について、相談する・連絡する・報告するタイミング（時間）や内容を細かく明文化しています。日本企業は業務のルール化・ドキュメント化が苦手と言われますが、中国人従業員にはルール化・ドキュメント化が有効です。この状況に一番効果があるのは「5S」だと考えていまして、中国人従業員の教育のためにまずは社内で「5S」を徹底されてみてはいかがでしょうか。
　

◆今後の抱負
　 セミナーは一度受けたからといって、学んだ内容を全て吸収し、「できる」ようになるかというと、決してそんな事はありません。学んだ内容を実践して、また再度セミナーにリピートし、再び実践する。地道な活動をコツコツと諦めずに続けることで、人材は育っていきます。
　上海セミ・ホーダイは、その継続的な学びの場、能力開発の場を提供するものです。我々のサービスが少しでも中国へ進出する日系企業の人材教育のお手伝いが出来ればと考えております。

 

※企業情報（URLご参照）
上海ジェイックマイツ有限公司（上海杰意可邁伊茲企業管理諮詢有限公司）
ホームページ：http://www.jaic-myts.com
Mail: info@jaic-myts.com
知見寺総経理「イキイキ組織運営ブログ」：http://jaic-portal.com/kyoiku/chiken_mail/

 

 

❒ 取材を終えて
　弊社も同じ環境ですが、中国現地法人の従業員数が少ないが故に、社内研修を行う内容・時間が限られている企業は多いのではないでしょうか。また今後、中国現地法人の運営を日本人ではなく、中国人に任せていきたい企業は多いのではないでしょうか。
　社内教育を行いたくても行えない日系企業は中国に多く存在します。その企業の支えとなる当社のご活躍を期待しております。

　　　　　　　

 

 

 

　　聞き手＝都民銀商務諮詢（上海）有限公司　蓑田　光