今回は、上海現地法人の平野総経理にお話を伺いましたので、ご紹介致します。

 

当社製品の画像処理検査装置は、日本では電子部品や半導体、日用品など幅広い業界の製品を検査対象とし、外観の識別や良品・不良品の振り分けを行うことが出来ます。

中国では主に電子部品（特に携帯電話のコネクタ）を主要ターゲットとして営業活動を行っています。例えば、中国では世界各国の携帯電話（スマートフォン）が製造されていますが、携帯電話1個にコネクタが約50種類、また1つのコネクタにはオス（凸部分）とメス（凹部分）があるので、携帯1個の生産で約100の外観検査が必要となり、当社の画像処理検査装置がこの外観検査に使用されるのです。

 

当社は日本企業のみならず、中国企業に対してもアプローチを行っています。中国の市場を考えた場合、人件費は右肩上がりに上昇しています。工場内の手作業が多い中国では、人件費上昇の負担を抑えるために、工場の自動化を検討する中国企業が増えると考えています。しかし現時点では、中国企業は日本企業と比較して工場の自動化の効果について深く理解をしていない企業が多く、工場設備には費用をかけても、検査機器にお金を払う感覚がまだ浸透していないように感じます。

また自動化に対する意識が中国企業も、「自動化」＝「投資」のイメージがあるためか、品質より費用を重視する傾向があり、当社製品よりも質は落ちるが安価な中国企業製品を購入するケースも見受けられます。当社としては、同業の中国企業と価格面で勝負するのではなく、品質を維持することで、中国国内でのプレゼンスを高めていきたいと考えています。また今後は、中国国内で中国市場向けの設計・開発を行い、中国市場を開拓することを検討しています。

 

当社製品である画像処理検査装置は、単純に装置を販売すればよいというものではなく、お客様にとって最適な検査のためにカメラをどのように設置し、検査対象物にどのように照明を当てればよいのか等を適切にアドバイスする必要があります。

そのため、製品をお客様の工場へ納品する前に、机上でカメラや照明などのレイアウトのテストを繰り返し、納品時には設備への据え付けから、お客様従業員への使用方法の解説も行っています。

検査対象物に照明を当てると言いましても、対象の検査物を適切に検査するためにどの色の照明を当て、またどの角度で当てればよいのか等経験でしか習得できない部分が多く、この経験を中国人スタッフに共有するのは苦労しますが、現在は日本からの出張者による指導や、中国人スタッフの日本研修など、日本本社と一体となり、人材育成に取り組んでいます。

 

当社製品は検査機器であり、工場の設備があって成り立つものです。中国企業の中には、設備と検査機器を一体で考えている企業もあり、当社としてはこの中国市場を自社のみで開拓するのではなく、日本の機械設備メーカーや商社と連携をとりながら、潜在能力が高い中国市場を開拓していきたいです。

 

日本でも周知のとおり、中国の人件費は右肩上がりに上昇しており、以前から中国国内工場の自動化は進むと言われています。

実際に部品製造工場を視察しますと、検査工程は大人数での目視による検査を行っている企業が多いのが実態です。目視検査に代わる外観検査を行う当社製品は今後益々需要が高まることが予想され、他の日本企業と連携して中国市場を開拓する当社のご活躍が期待されます。

 

 

 

聞き手＝都民銀商務諮詢（上海）有限公司

蓑田　光

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