今回は中国政府から唯一、中国標準規格の翻訳版の制作を認められている企業「上海標科商務諮詢有限公司」の野田董事長に、中国の標準規格事情についてお話を伺いましたので、ご紹介致します。

 

中国では国家標準規格を「GB」と呼びます。国家標準（以下、GB）の他にも、業界標準や地方標準がありますが、それぞれ強制性標準と推奨性標準が存在します。

日本における標準規格は、公的に定められている規格ではありますが、危険度が高い規定を除き、指導はあるものの没収などの罰則はありません。しかし、中国における強制性標準規格は法規とほぼ同質のものと考えらており、罰則も設けられていますので、中国で事業展開する日本企業は注意が必要です。

この内、国家標準であるGBだけでも約5万2000件と膨大な数の上、日々追加、廃止、改訂されており、一企業ではチェックが出来ません。しかし中国で事業する上で、知らなかったでは済まないものなのです。

 

もともとは、2000年にパンフレットやマニュアルなどの翻訳会社「必愛信息系統（大連）有限公司」を設立し、中国で事業展開をしていましたが、2009年にGBの存在を知りました。このGBは中国事業展開で非常に重要なものにもかかわらず、当時は殆どの日本企業が知らないことから、このGBを日本企業へ周知する事に社会的意義を感じ、GBの出版権をもつ中国質検出版社に日本企業としては初めて販売権と翻訳権獲得のアプローチをかけました。

タイミングよく、中国当局の傘下である中国質検出版社も、標準規格の国際化・情報発信強化を検討していたことから、GBだけでなく業界標準、地方標準の全ての標準規格の日本語翻訳ならびに・日本での販売代理権・オンライン販売権を獲得でき、当社設立に至りました。現在は日本語だけでなく、英語の翻訳も認められていますが、標準規格には中国政府に著作権があり、外国語版の制作を授権したのは、世界でも当社のみです。

当社の標準規格翻訳物は単純に中国語を日本語へ翻訳しているものではなく、一から日本語版を制作し、当局のチェックも受けている出版物です。版権は当社にありますので、中国のインターネット上でGBの翻訳物が出回るケースもありますが、当社以外の出版物は違法なものとなります。

 

お伝えしました通り中国のGBは5万を超え、業界標準、地方標準を加えると約15万件にのぼります。それらが日々更新されています。自分の業界の標準規格をタイムリーに把握するには限界があります。そのため、当社では日本企業が簡単にインターネットで検索が出来る「GB NAVI」を開設しています。

中国標準規格の対象は中国で製造されたものだけではなく、日本からの輸入品も含め、中国市場で販売される全商品が対象となります。そのため、中国に拠点がなくとも、中国へ輸出している日本企業も中国標準規格の内容を把握しておく必要があります。

中国のGBについて関心がある方は、「GB NAVI」または日本総代理店のフォトハイウェイ・ジャパンにお問い合わせ下さい。

 

「GB NAVI」　http://gbnavi.jp/

※日本総代理店（URLご参照）

株式会社フォトハイウェイ・ジャパンホームページ

（http://www.photohighway.jp/）

 

現在は自動車業界中心にサポートしていますが、本来は、この中国標準規格を日本の中小企業に周知し、中小企業の中国展開をバックアップしたいという“思い”があります。この中国標準規格は中国で事業展開する上では知らなければならないものであり、万が一の時には経営に重大な影響を及ぼします。まもなく中小企業の皆様への廉価版のサービスを開始する予定です。

 

今回お話を聞き、中国標準規格の重要性・知らない事の怖さを改めて認識させられました。膨大な量の標準規格を把握するのは限界があります。とはいえ、知らなかったことで処罰されてしまう可能性もあります。皆様、一度、GB NAVIで検索されてはいかがでしょうか？

 

 

 

聞き手＝都民銀商務諮詢（上海）有限公司

蓑田　光

  お問い合わせは　tomin_shanghai@tomin-bc.com.cn まで