中国進出インタビュー

第 131 回「日本発現地に根ざした事業発展を目指して」 アルゴ・ホールディングス株式会社

アルゴ・ホールディングス株式会社(以下、当社)は「不良債権/不良資産に関連した投資/回収」を事業領域に、サービサー事業、担保不動産処分を中心とした不動産事業、担保ファイナンスやディストレス資産への投資を中心としたファイナンス事業、日系企業が海外で直面する様々な問題(撤退、債権保全/回収、資産処分等)に対するソリューション事業などを展開していますが、現在では日本国内での事業展開のみならず、アジア各国で事業を拡大しています。今回、中国を中心とした海外事業展開についてお話を伺いましたのでご紹介致します。

 

◆当社事業概要について

当社は1999年からサービサー事業を中心に国内事業を開始し、現在ではサービサー事業の他、ファイナンス事業、訪問調査事業、不動産鑑定・売買事業、保証事業、海外事業など様々なビジネスを手掛けています。
サービサー業の考え方は欧米から日本へ伝わったものですが、当社は日本国内で得た事業経験を活かして、日本同様に将来発展していくであろうアジア市場に挑戦するべく、海外展開に着手しました。当社が海外展開を検討し始めた際、日本以外のアジアでは韓国、中国、タイにおいてはサービサー業務が既に成立しておりましたが、ベトナムやフィリピンではサービサー業務が存在していませんでした。
海外展開に着手した結果として、今現在、当社は中国、タイ、ベトナム、フィリピンに拠点を構え事業展開を行っておりますが、なかでも中国は海外展開を検討し始めた際にマーケット規模が大きい魅力がある反面、厳しい外資参入規制が敷かれていました。中国では以前から国有の現資産管理会社(AMC)による不良債権回収サービスは存在していましたが、不良債権市場というのはどの国も政府や国有企業だけでは成り立たず、民間企業の力が必要になります。そこで、将来、中国サービサー業界は変遷・拡大し、外資の民間企業にもビジネス参入の可能性はあると考え進出を決断しました。

 

◆中国ビジネスについて

中国事業は主に、ソリューションビジネス(不良債権処理サービス、不動産担保に関するサービス、現地法人撤退に伴うサービスなど)とファンドビジネス(不良債権/不良資産への投資。会社持分取得、不動産取得など)に取り組んでいます。ソリューションビジネスはファンドビジネスに比べれば収益性は低い事業かもしれませんが、ソリューションによって得られる情報や人脈、取引先への信頼関係構築は何よりも重要で、そういった成果が結果としてファンドビジネスに繋がり、相乗効果を生み出していきます。
このビジネス領域では、ハゲタカ投資家を連想される方がいらっしゃるかもしれませんが、私達は、クライアントである日本企業の為になることを最優先にソリューションを構築することを基本方針としていますので、そもそものビジネススタンスが異なります。
此れ迄、中国事業で売掛債権回収や合弁解消等の事業撤退サポートを手がける中で中国企業向けの債権は回収出来ないという声を聞くこともありますが、日本企業の皆様に留意頂きたいのは、中国企業と取引する際には予め保全をとることを怠らないことです。保全がとれていれば裁判所に事案を持ち込むことも出来ますので、日本同様に保全をとられる準備をすることをお勧めします。
【案件事例】
中国合弁事業撤退に伴う投資及び債権回収
   中国現地企業とのJV解消に伴う会社の実態把握。投資持分、貸付債権の調査及び回収。
中国企業に対する売掛債権回収
   確定困難な債権の現地で内容精査/買取り。

 

◆今後のアジアビジネスの抱負について

中国以外のアジアでは、タイ、フィリピン、ベトナムにサービサー業として進出しております。ベトナムでは第1号且つ現状唯一の外資サービサーとしてライセンスを取得。タイにつきましては日系唯一のサービサーとして事業を展開。フィリピンにつきましてはサービサーライセンスが制度化される以前から担保ファイナンス事業を展開。2021年の不良債権移管法(通称FIST法)成立に伴いサービサーライセンスを申請。現地財閥系3社を含む5社のみが認可される中、弊社はここでも日系唯一のサービサーとしてライセンスを取得しております。
海外投資をいずれ日本へ回収することを考える方が多いと思いますが、当社は複数国で事業展開することが、結果として、カントリーリスクや通貨リスクの分散にも繋がるものと考え、海外事業は「海外現地で生み出された利益はその国における再投資で更なる成長につなげる」」方針のもと、現地で事業拡大を目指して参ります。
海外の複数国で展開していますが、進出先で事業拡大するためにはいかにローカライズするかが重要です。そして、そのためには現地パートナーとの連携が不可欠です。現地パートナーとより良い関係を築き、日本で培った事業ノウハウを活用して当社がアジアで成長し、結果としてアジア経済全体の中での日本企業の存在価値を高めることに繋がり、アルゴという存在が拡大するアジアにおいて日本を支える存在になれれば、これ以上の喜びはありません。

 

※会社情報
会社名:アルゴ・ホールディングス株式会社
●当社子会社(アルゴジャパン債権回収株式会社)ホームページ:
アルゴジャパン債権回収株式会社/Argo Japan Servicing (t-servicer.co.jp)
●お問合せ先
アルゴグローバルソリューション株式会社/アルゴ・グローバル・インベストメント株式会社
菊野、李(中国担当)、松永:03-5510-2816(グループ代表番号)

 

聞き手=綺羅商務諮詢(上海)有限公司 佐藤

绮罗商务咨询(上海)有限公司 XFCSS .ALL Rights Reserved 沪ICP备18032119号-1
Copyright Kiraboshi Business Consulting Shanghai Co.,Ltd ALL Rights Reserved

沪公网安备 31010102005043号