株式会社石橋楽器店は1938年創業の老舗楽器店であり、80余年にわたりエレキギター、ドラム、キーボート等の楽器販売を通じて日本の人々に音楽に参加する喜びや楽しみを伝えてきました。現在日本では全国に16店舗とECサイトを展開しています。
今回は当社の海外店舗である、上海意希芭世楽器有限公司（以下、イシバシ楽器上海店）の児玉総経理にお話を伺いましたので紹介致します。

◆イシバシ楽器上海店について

イシバシ楽器上海店は、2012年4月に初出店、2019年12月より、上海中心部の淮海中路沿い（地下鉄1及び7号線「常熟路」駅近く）に店舗を構えています。
店舗面積は約100㎡でエレキギターとその関連商品を中心に2,000アイテムほどを揃え、店舗近隣には倉庫も備えております。
ローカルスタッフは9名ですが、みんな音楽が大好きで知識が豊富なことはもちろんですが、それに加え、英語はもちろん、日本語が話せるスタッフも多く、語学についても堪能です。
お客様は20代・30代～50代が中心で男女比率は7：3程度、7割が中国の方、2割が欧米の方で、日本のお客様は1割程度の構成となっています。
現在は日本から輸入しているギターが多いですが、今後は中国国内での買取や流通にも力を入れていきたいです。

◆接客する中で感じた日本との違いについて

私は上海に赴任する直前は大阪の梅田店で店長をしていました。上海に来てまず感じたのはお客様に10代の方がほとんどいないということです。学校や塾、その宿題等に加え、動画サイトやゲーム等様々なコンテンツを楽しむのに忙しく、楽器に触れる時間がないのかなとも思いました。次に、中国では様々なECサイトやアプリがあり、ＣｔｏＣがとにかくすごい。ちょっと調べれば値段の幅も種類も様々なギターがたくさん出てくるので、ビギナーの方や若いお客様等、楽器店に行くのを少しためらいがちな方は、最初はこれらを利用しているのかなとも思いました。

日本では初めて楽器を手に入れるときは、ネットで調べても、やっぱり最後は楽器店に来て頂けるという感覚がありますので、今後は買っていただけなくてもいいので、初めて楽器に興味を持たれた方、10代の方にもお店に遊びに来て、楽器を身近に感じられるような店作りをしていきたいですね。
個人的には中国赴任は初めてだったのですが、「ギター＝吉他（ji ta）」、「ベース＝貝司（bei si）」、の様な中国の当て字や意味を知った時はとても新鮮に感じました。

◆店舗があるからこそできること

当社は中古ギターも取り扱っていますが、今はネットで調べればすぐに価格がわかってしまうので、スタッフにも「児玉さん、ネットで〇〇元で売られているから、その値段じゃ売れませんよ。」なんて言われてしまうこともあります（笑）。しかし、ネット購入ではフェイクブランドがあったり、思っているようなサウンドや演奏性の確認が出来なかったり、出品数が多すぎてどれを買っていいかわからない、といったようなトラブルや困惑があることもまた事実です。だからこそ日本のイシバシ楽器という看板とスタッフの知識、商品の確実性というものを武器に、お客様に安心してご相談していただける、対面での販売にもこだわっていきたいと考えています。我々が日系企業だからというのもあるかもしれませんが、人気のFender社のギターもJAPANラインが一番売れています。
当店では淘宝（タオバオ）に公式店も開設しており、実店舗のある強みを生かしネット販売にも注力していきたいと考えています。

◆最後に

中国に赴任し、中国のスケールの大きさ、スピード感に驚いていると同時にチャンスも大きいと感じております。個人的には、今後中国の主要都市や東南アジアでの出店もできたらいいなと考えております。
そしてイシバシの看板と安心感を武器に、ネットで世界に販売していきたいです。コロナ禍で、日本からの旅行や出張はまだまだ簡単にできない状況ではありますが、中国駐在の皆さま、上海に来られた際には是非上海店にお立ち寄りください。

※会社情報
会  社  名 ：上海意希芭世楽器有限公司
住   所     ：上海市徐汇区淮海中路１１５８号（店舗）
                （春節を除き年中無休、営業時間10：30～19：30）
Ｈ    Ｐ      ：http://www.ishibashi-music.cn/

日本本社 ：株式会社石橋楽器店
住   所     ：東京都千代田区神田駿河台２-２
本社ＨＰ  ：https://www.ishibashi.co.jp/

聞き手＝綺羅商務諮詢（上海）有限公司　杉山