中国進出インタビュー

第 117 回「ワンストップの環境対策サービス」恩拜欧(南京)环保科技有限公司

中国において新たな工場の建設や、移転・売却を検討する際に、悩みのタネとなるのが土壌汚染対策等の環境問題。行政手続きが複雑だったり、当局との交渉が難航したり。。。
今回は、土壌汚染をエンジニアリングで解決する株式会社エンバイオ・エンジニアリングに兄弟会社の中国現地法人、恩拜欧(南京)环保科技有限公司の取組につきまして、本社海外事業部プリンシパルである渡辺様にお話を伺いましたのでご紹介致します。

 

◆日本本社の業務内容について

株式会社エンバイオ・ホールディングス(東証マザーズ上場)として、『土壌汚染をエンジニアリングで解決する土壌汚染対策事業』、『汚染された土地の有効活用を目指すブラウンフィールド活用事業』、『太陽光発電による自然エネルギー事業』を主力事業とし、現在では新たにバイオマス発電や水資源の開発事業を立ち上げております。
土壌汚染対策事業は、東京の「株式会社エンバイオ・エンジニアリング」と南京の「恩拜欧(南京)环保科技有限公司」が担い、日中のスタッフが協同して中国の環境対策事業に取り組んでいます。

 

 

 

 

 

 

 

◆南京現法立ち上げの経緯と主な事業について

日本では2003年の法施行を契機とし、土壌汚染対策の市場規模が拡大していきました。日本が土壌汚染に係る概念や対策技術を導入したのは米国と比べ、20年程度遅れてのことです。弊社はアジアの新興国でも近い将来に同様のことが起こると考え、日本国内でノウハウや実績を蓄積する一方、進出先の検討をしておりました。その中でも成長著しい中国に潜在的な市場の大きさを感じ、2008年頃から具体的な準備を開始しました。
2012年に土壌汚染対策事業を行う日中合弁会社を南京に設立、その後日系工場や中国系修復エンジニアリング企業からの問い合わせが多くなったため、2018年に独資として現在の会社を設立しました。
工場の移転等を契機とし、初期段階のリスク評価(環境デューデリジェンス)、土壌汚染調査修復計画の作成と実施、専門家審査会(委員会)の対応等について、一気通貫のサービス提供を行っております。専門家審査会とは、学識経験者からなる専門委員が土壌汚染調査の結果、修復の計画や結果の妥当性を審査承認する会議で、中国での土壌汚染調査修復で最も重要なプロセスです。専門家審査会対応についても、複数の地域で実績がございます。また、日本で法的調査の対象となる特定有害物質は26項目ですが、中国では100項目以上に及びます。弊社では地域ごとの規制物質の違い等も考慮し、手戻りのない調査修復計画の設計が可能です。

 

◆最近多い相談事例

工場移転に伴う行政手続き、土壌対策の問い合わせが多くなってきました。特に、日系製造業が多く進出する江蘇省では、2019年3月に発生した工場爆発事故の発生以降、化学工業メーカーを大幅に削減する方針が地方政府から打ち出され、移転を決める企業が多くなっています。弊社では、移転検討に向けた初期段階のリスク評価(環境デューデリジェンス)から、必要となる行政手続きや土壌調査費用、スケジュール等について、お答えしております。
また、日系のお客様からは日本語対応のニーズが根強くございます。南京拠点には総経理の王を始め、日本の大学で学位を取得したスタッフが複数在籍、東京拠点にも中国含む海外用地対応に実績のあるスタッフが在籍し、中国用地においても日本国内と同等の品質のサービスをご提供しています。日本語でワンストップの環境サービスを提供できるのが弊社の強みです。

 

 

 

◆中国事業で苦労したこと

環境対策を進める上で、行政の認可や推薦を必要とする場合が多く、しかも地方により違いがあるため、行政手続きを理解して行政対応が可能な状態まで準備することに苦労しております。これまで外国独資では行政対応ができないといった認識が持たれていましたが、今では行政対応までのソリューションを提供できる体制を構築しております。
日本国内での感覚と比較し、行政都合で余分な時間が掛かる可能性を踏まえ、お客様にもスケジュールに余裕を持った早期対応を推奨しています。

 

◆最後に

中国の環境規制は近年急速に厳格化しており、工場はより多くの課題への対応が求められています。中国には、我々が直接対話できる日系工場が多数ございます。エンバイオ・ホールディングスとして、中国以外の地域、特にタイや台湾における土壌対応には実績がございますが、海外での環境サービスを拡充させる一丁目一番地は中国であると考えております。
2020年は既存案件の進捗はあったものの、渡航制限から短期出張できず、新規の日系のお客様からのお話が減少してしまいました。総経理の王は継続して南京におりますが、本年は私渡辺も南京に居を構え、中国をスタート地点として、グローバルにEHS(Environmental Health & Safety / 環境・労働安全衛生)サービスを展開したいと考えております。

 

※会社情報
会  社  名 :恩拜欧(南京)环保科技有限公司
                 EBH China Environmental Science & Technology Inc. (EBHC)
住   所     :江苏省南京市雨花台区锦绣街绿地之窗C-4幢512室
H    P      :http://www.sakai.com.cn

日本本社 :株式会社エンバイオ・エンジニアリング
住   所     :東京都千代田区鍛冶町二丁目2番2号 神田パークプラザ8階
本社HP  :https://enbio-eng.com/
メール    :global@enbio-eng.com

 

以上
聞き手=綺羅商務諮詢(上海)有限公司 杉山

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