中国進出インタビュー

第 116 回「道路建設機械で世界をつなぐ!」 酒井工程機械(上海)有限公司

国家の発展は社会インフラ整備から。日本の道路網建設を90年以上に渡り支えてこられ、2018年に創業100周年を迎えた酒井重工業株式会社。1929年(昭和4年)に国産初のロードローラを開発。その後独立系専業メーカーとして技術革新を重ね、日本国内の道路舗装機械の約7割のシェアを握るまでに至った当社はまさに日本の道路建設の歴史そのものと言えます。
そして日本で培った技術と経験を世界へ。今回は、酒井重工業株式会社の中国現地法人、酒井工程機械(上海)有限公司の山中董事長総経理にお話を伺いましたのでご紹介致します。

 

◆酒井工程機械(上海)有限公司について

上海現法は建設機械の製造及び販売を目的として2003年に設立しました。
当地では道路舗装用のロードローラを中心に完成車の組み立てと部品の販売を行っています。
中国やアメリカなどの広大な国の高速道路等は長さや大きさが日本と異なるため車輌の仕様も違ってきます。そのため完成車は日本には輸出しておりません。
直近までアメリカ向け輸出が主であり、その他アジア各国への輸出を行っており、中国国内販売はあまり多くありませんでした。
ところが、昨今の米中貿易摩擦の影響により完成車の関税が跳ね上がってしまい、中国で生産するコストメリットがなくなってしまいました。そのため現在は従前のアメリカ輸出向けの完成車の生産は同国の当社アトランタ工場にすべて移管しています。

 

 

 

 

◆中国国内販売を強化

前述アトランタ工場への生産移管は、酒井重工業グループとしては売上に大きな影響はありませんが、上海現法単体としては大ありでした。
主力だったアメリカ向けの仕事が減少したことで、それを補うべく中国国内の販売強化に乗り出しました。
現在は大小約20のローカル代理店を通じ、中国全土へ販売できるよう体制を構築しております。
2020年はコロナ禍での工場再開、販売網構築という形になりましたが、幸い中国は、世界に先駆けてコロナ禍から経済復興をとげており、政府政策もあって道路工事の予算がついている地方政府もあるため販売は堅調です。特に四川省、山東省、新彊等の地方都市からの引き合いが強いです。中国の道路網はこれからもっともっと拡充していくことでしょう。

 

 

 

 

 

◆課題

当社も国内販売強化へと舵を切り、販売は順調に伸びていますが、目下の課題は販売先企業の与信管理です。当たり前のことながら引き合いはあるので売上を伸ばすことはできますが、それをきちんと回収できるかどうかは別問題です。
幸い不良債権は発生していませんが、日本本社とも相談しながら販売先各社毎に、与信額であったり、販売方法といったものを決定し、与信管理を行うとともにノウハウを蓄積していっております。

 

◆最後に

これからますますの経済発展をとげるであろう中国の中で、我々にも更なる技術革新、多様化、環境対策等が求められるようになると思います。酒井重工業グループが道路建設機械のパイオニアとして100年に渡って培ってきた技術力と対応力で今後も中国の国土開発に貢献していきたいと考えております。

 

※会社情報
会  社  名 :酒井工程機械(上海)有限公司
住   所     :上海市嘉定工業園区興慶路999号
H    P      :http://www.sakai.com.cn

日本本社 :酒井重工業株式会社(きらぼし銀行本店営業部取引先)
住   所     :東京都港区芝大門1-4-8 浜松町清和ビル5F
本社 HP  :http://www.sakainet.co.jp/

 

以上
聞き手=綺羅商務諮詢(上海)有限公司 杉山

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