中国進出インタビュー

第 105 回「日中相互交流・相互理解の架け橋に」株式会社エイチ・アイ・エス 現地法人 秀之旅(上海)国際旅行社有限公司

旅行を計画される際、「H.I.S.」を利用される方はもちろん、インターネットでの検索中に当社のパンフレットを目にするという方も多いのではないでしょうか。そんなエイチ・アイ・エス様は、日本だけではなく世界各国に拠点を構え、様々な旅行商品の提供や旅の情報発信、そして24時間365日お客様のサポートをされています。今回は中国でご活躍されている株式会社エイチ・アイ・エス上海現地法人の安達董事長にお話を伺いましたので、ご紹介致します。


◆中国進出について

2002年、日本人の中国旅行の増加に伴い、北京と上海に駐在員事務所を設立しました。当時、私は、日本側で中国ツアーの企画を担当しており、中国が観光地として日本人を迎え入れる体制が整い始めたばかりの時期だったことから「中国=未知の国」というイメージで売り出していました。例えば、当時の上海は、洋風の建物が立ち並ぶ「新天地」が綺麗に整備されたばかりで、新旧が融合した「神秘的な街」というイメージがありましたね。

 

その後、2008年に北京オリンピック、2010年に上海万博が開催され、日中関係も良好でマーケットは拡大し、この頃までは日本人の中国旅行ビジネスに特化していました。また、丁度その頃、国内旅行に関するライセンスの緩和があり、2010年に駐在員事務所を現地法人化しました。しかし状況は一転、2012年の反日デモをきっかけに日中情勢が悪化し、日本人観光客が激減。左記〈日中訪問人口の推移〉は観光だけではなく、出張者等ビジネスマンも合計した人数ですが、ビジネスでいらっしゃるお客様は変わらず中国に行き来していた点に着目し、「観光のお客様向け」に特化していたビジネスを「出張者等のビジネスのお客様向け」にも対応できるようシフト。例えば、観光でいらっしゃるお客様は観光地付近のホテルを希望することが多いですが、ビジネスでいらっしゃるお客様は取引先や空港近くのホテルを希望するようなケースが多いので、ニーズに合った提携ホテルを増やし、日本本社と協力して法人向けプランを売り出す等の取組みを行いました。それ以外にも、駐在員向けの日帰りツアーや社員旅行、またインセンティブツアー等を企画し、ビジネス向けのお客様も増やして参りました。

マーケット環境が良い時は他社も業績が良く、シェアを取るのは難しいです。しかし状況が悪い時こそ発想の転換をして、お客様を掴めれば一気にシェアを伸ばすことが出来ます。弊社グループは、マーケット環境が悪い時に発想の転換できっかけを掴むことで業績を伸ばしてきた企業で、危機をチャンスに変え、日本だけでなく世界で戦える企業を目指しています。


◆中国人観光客の日本旅行

2014年頃から円安の影響もあり、。日本で「爆買い」する中国人観光客が増加し、最近では「モノからコト」への消費が話題になっていますが、弊社でも中国人の日本旅行ビジネスに力を入れています。

 

日本のお客様にはある程度知っていただいている「H.I.S.」ですが、中国ではまだまだ知名度が低いのが現状です。中国ローカル旅行会社が中国人向けの格安ツアーを数多く販売しており、市場は大きいものの価格面だけの競争では厳しいです。そこで弊社は日本の地方自治体と連携したツアー企画やプロモーション、当社グループのリソースであるハウステンボスや変なホテル等と連携を強化し、「特別感」で勝負しています。昨年の夏に静岡県と実施した富士山の登頂ツアーでは中国語対応の登山ガイドを付け、言語の面や休憩所など、登山に不慣れな方でも安心してご参加頂けるようにし、ご好評いただきました。また最近は日本のエンターテインメントも人気があるので、日本のプロダクションと連携し、人気アーティストの日本公演の中国人向けツアーの企画もいくつか行いました。中国人の方々には、このような特別感のあるコンテンツをきっかけに後から弊社のことを知ってもらうケースが多いです。


◆中国テクノロジー視察ツアー

2017年頃から日系企業の中国視察ツアーの需要が増えています。特に深センや上海にあるテクノロジー系スタートアップ企業への視察ニーズが強いです。「中国にただ視察に行くだけではビジネスに繋がらない」という声もあり、2018年からアクセラレーターの「匠(ジャン)新(シン)」等と連携して、ビジネスマッチングも想定した「本格的な視察ツアー」を企画しています。中国企業との協業を検討している方等から応募があり、参加した方からは、海外でさまざまな企業を視察した中で一番刺激的だったと仰っていただいた方もいます。

 

また、「日本の若い人にもテクノロジー発展が進んでいる今の中国を知ってほしい」という思いから、地方自治体や大学と連携して、中国勉強会と題した視察ツアーの手配も行いました。


◆最後に

日中両国の関係は「競争から協調へ」という新たな段階に移りつつあり、ポイントになるのは日本と中国の相互交流の促進だと感じます。弊社では旅行や観光の手配のみならず、日本・中国の国民の相互交流・相互理解の架け橋となれる企業を目指しております。弊社は現在上海以外にも北京・大連・蘇州・広州に拠点があり、約100名のスタッフが業務を行なっております。日本の企業の皆様の業務発展の一助になれればと思いますので、視察・観光手配や出張者向け航空券・ホテル手配、送迎、通訳サービス等何かあればお気軽にご相談ください。

 

※会社情報
中国現地法人/秀之旅(上海)国際旅行社有限公司
                       北京新日国際旅行社有限公司上海分社
日本本社  /株式会社エイチ・アイ・エス (きらぼし銀行 新宿支店取引先)
住所        :上海市黄浦区漢口路266号申大厦3楼
電話        :86-21-6329-7878
メールアドレス:adachi.ken@his-world.com
HP         :http://shanghai.his-china.com/
                     https://www.his-j.com

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