中国進出インタビュー

第 103 回「中国でもお客様第一主義を目指して」 アイフルグループ 上海三秀融資租賃有限公司

日本では、アイフルと言えば消費者金融。そんなイメージを持たれている方が大半だと思いますが、上海ではリース業を展開されています。今回はアイフルグループの中で中国で活躍されている上海三秀融資租賃有限公司の鮫島董事長、伊藤董事総経理、中沢董事にお話を伺いましたので、ご紹介致します。


◆リース業での進出について

 アイフルグループとしては、消費者金融ライセンスの取得を見据え、従前から駐在員事務所を上海に開設していますが、ライセンス取得には様々な条件があるため実現には至っておりません。一方、アイフルグループでは日本国内でも法人融資を専業としている会社があり、消費者向け以外にも様々な金融商品を販売していますので、グループとしてのノウハウが転用できることやライセンス取得の難易度などを総合的に勘案し、当地ではファイナンスリース業を営んでいます。
主に、長江デルタ地域で企業向け(主に中国内資中小企業向け)のリース業務を展開しています。主なリース物件としては、旋盤やマシニングセンター等の工作機械、射出成型機、ダイカストマシン、精密測定器、生産ライン等の設備を多く取扱っています。最近では、ロボット、自動化対応、環境対応関連機器等の引き合いも増加しています。また、製造業以外にも建設業やサービス業向けにもサービスを提供しています。通常、日本でのリース業務といえば「ファイナンスリース」(お客様が希望される物件をお客様に代わって当社が購入し、それをお客様に提供する形式。リース期間満了後は、リース物件の所有権はお客様へ移転)の販売比率が高いですが、中国では「リースバック」(お客様が保有している固定資産を当社に売却、その資産をリース契約で利用し続ける形式)での販売比率が高いです。このことから、中国では「資金調達の一手段」としてリース契約を行うお客様が多いことがわかります。
弊社の強みは設立当初から中国内資企業を与信し、ファイナンスリースを販売している点です。社員数も多くはないので目の届く範囲で誰が何をしているのか把握できますので、現場と経営層が直ぐに調整できるスピード感と距離感の強さが売りとなっています。
 

◆現地法人の運営・人材育成・与信管理について

中国ではアイフルグループとしてのネームバリューが全く効きません(笑)。競合先は中国内資系、台湾系のリース会社が多いのですが、その中でも知名度のない弊社ですので、会社立ち上げ当初はHPを作りこんだり、営業社員に持たせる会社紹介資料を作成したりと、まずは会社を知っていただくための工夫から始まりました。
また弊社は少数精鋭の会社ですので、営業は営業だけをやるのではなく、全員が、できることはすべてやるというスタンスで運営しています。中国では職種による専業が一般的であり、社員の採用時に説明した上で入社してもらっているものの、それでもやはり内資系同業他社と比較するとやることが多いとの声が上がることもあります。その都度、各業務の必要性を説明しつつ、業務の幅と視野を広げることが結果として自身のキャリアアップに繋がることを説明して理解してもらっています。当社にはリース歴15年、中国歴13年と当地でのビジネスに精通している人材もいますので、案件毎に営業社員に対して与信のポイントなどのフィードバックを実施し各人のレベルアップを図っています。
与信については財務の信ぴょう性の問題もあることから、銀行口座のお金の流れや電気使用量の推移で稼働状況を確認するなど多方面にわたる確認作業を実施しています。またネットからでも色々と情報を入手できるソースが存在しますので、それらを活用して揃えた情報やお客様から提出いただいた資料を基に、疑問点を直接経営者様や財務担当者様に確認し、ご回答いただいた内容等を踏まえ総合判断しています。中国は借入情報が一本化されていないため銀行以外の負債が見え難いという特徴があります。他にも個人による破産が認められていない等日本との法令の違いや背景も異なりますので、中国に合わせた更なる与信の構築が必要と感じています。
 

◆中国の消費者金融と今後の展開の可能性について

何よりも中国のパイの大きさが魅力的です。昨今はP2Pを通じた融資により様々な問題が表面化していることから、今後は消費者金融市場としては色々と整備されていく(実現されていく)時代に入ると考えています。業界としてはまだまだ過渡期にありますので参入の余地は十分にあると見ています。
日本で長年積み重ねたノウハウがありますので、既に実現したタイ王国への進出等東南アジアを中心とした海外進出はアイフルグループとしても重要施策として考えています。その中でも中国は、過去から消費者金融業として進出の可能性を探っている国ですので、良いパートナーとの出会いなり、タイミングや条件が揃えば当地での事業展開の可能性は十分にあると考えています。
 

◆最後に

 既に中国に進出している企業様も、これから進出をお考えの企業様も、リースをお考えの際は是非とも弊社にご相談ください。
新設設備のご購入以外でも、既にお持ちの工作機械に対するリースバックもしていますので資金調達でお悩みの企業様、また、機械設備のメーカー・代理店様が中国国内で販売する際の販売金融としてリース活用をご検討する際等、是非ともお声かけください。
これからも弊社は日本と同様「お客様第一主義」をモットーに中国でもお客様の事業と地域経済の発展のためサポートを行ってまいります。

 

※会社情報
上海三秀融資租賃有限公司
住所  :上海市静安区延安中路1440号 阿波羅大厦301号
電話  :86-21-6103-1793
HP  :https://sanshu-sh.com
営業時間:平日9:00~18:00

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