きらぼし中国ビジネスQ&A

第86回「営業許可証は飾らなければいけない?」

<質問>

私は貿易会社の副総経理として上海に駐在しています。お客様の工場や事務所を訪問している際、社内に営業許可証が飾られているのを見かけたことがあります。これは企業独自の判断で飾っているのでしょうか?、それとも理由あって飾っているのでしょうか?、気になってお聞きしました。

 

<回答>

 まず営業許可証について改めてご説明しますと、これは工商行政管理局が発行する会社登記を証明する証書で、外資企業も内資企業も分け隔てなく発行されます。

 上海の街中で飲食店に入った際、レジの周辺にこの営業許可証や飲食特有の許可書が飾られているのを目にしたことがあるでしょう。これは飲食店だから許可書を飾っているのではありません。 

飲食店に限らず、工場や事務所など全ての企業は目に見える位置に営業許可証を置くことが義務化されており、「中華人民共和国会社登記条例」という会社登記について定めた条例に「営業許可証を目に見える場所に置くことを管轄する当局から指導を受け、それを拒否した場合は1,000以上5,000元以下の罰則を与える」と罰則も明文化されています。まだ社内に営業許可証を飾っていないのであれば、早速、営業許可証を入れる額縁を購入されることをお薦め致します。

 

 直接は関係無い話ですが、2017年10月に「無証無許可経営調査処分弁法」(国務院令684号)が施行されました。これは2003年から存在した法令を廃止して新たに制定したもので、営業許可証を取得せずに経営を行っているケースや無許可で経営しているケースなどに対する取締り方法が明記されています。

<原文>http://www.chinalaw.gov.cn/art/2017/8/23/art_12_206046.html

 この影響もあってか、最近では不動産オーナーが企業に対して登記を厳格に求めるケースが増えてきました。経営場所を登記するというのは当然の話に聞こえるかもしれませんが、企業によっては理由あって登記場所と経営場所を分けているケースや、一時的に登記を行っていないケースも存在します。この法令を背景に今後、関連する当局が査察に来る可能性は否定できませんので、営業許可証は社内の見えるところに置かれた方が宜しいでしょう。              以上    

 綺羅商務諮詢(上海)有限公司 蓑田

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