きらぼし中国ビジネスQ&A

第83回「企業所得税10%?増値税16%?」

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<質問>

 私は上海に子会社を有する日本本社の経理部長を務めています。上海子会社の管理をしている手前、以前中国の税務会計について勉強した際、企業所得税は25%、増値税は17%という数字が頭に入っていました。しかし今回、上海子会社から「上海子会社の企業所得税は10%」、「増値税が今後16%になる」という報告を受けました。今まで認識していた税率が間違えていたのでしょうか?ご教示下さい。

 

<回答>

 まず企業所得税ですが、ご認識の通り、基本は25%で間違いございません。過去に遡りますと、企業所得税は原則30%で、外資企業は地域ごとの優遇政策で15%に減税されたり、期間減免制度(二免三減税制)が適用されたりしていた時代もありましたが、2008年に施行された企業所得税法改正により、外資企業と中国企業の違いが無くなり、25%に統一されたという経緯がございます(一部ハイテク企業は優遇あり)。

 原則25%の企業所得税ですが、貴社上海子会社が報告している10%というのは、小規模利益企業に対する優遇政策を活用しているものです。これは2017年1月1日~2019年12月31日の間、年間課税所得額50万人民元以下の小規模利益企業は、当該所得の50%を課税所得として計算し、計算した課税所得に対して20%の企業所得税が課せられるものです。

課税所得の50%に対して20%が課税される、つまり50%×20%=10%が企業所得税の税率となる訳です。この小規模利益企業の対象となる条件は課税所得額の他に従業員数や資産総額もありますので、詳細は下記サイトをご参照下さい。

【参考URL】http://www.chinatax.gov.cn/n810341/n810755/c2660828/content.html

 

 次に増値税についてですが、これも今までは原則17%というご認識で間違いございません。しかし、この税率が2018年5月1日に、17%から16%に変更になります。

 サービスに関する増値税は6%と変更ありませんが、その他の物品や加工業務、運送・不動産等に関する増値税は1%が引き下げられます。

【参考/引下げ後の税率】 物品の売買・加工業務              17% → 16%

             農産物等特定物品の売買、運送費・不動産等    11% → 10%

 詳細は下記サイトに記載されています。税率引下げは企業サイドから見れば歓迎すべきことですが、税率変更に伴い、増値税の輸出還付の計算について影響が出てきますので、上海子会社へ事前に実務の確認を指示されることをお薦め致します。

【参考URL】http://www.chinatax.gov.cn/n810341/n810755/c3377945/content.html

                                               以上

都民銀商務諮詢(上海)有限公司 蓑田

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