外国人が中国で就労するにおいては、「就労ビザ(Zビザ)」、「外国人工作許可証」、「居留許可証」の取得が必要となります。申請の流れにつきましては、まず日本国内で「Zビザ」を取得後、中国に入国し、「外国人工作許可証」を取得。その後、「外国人工作許可証」原本やパスポート、および勤務する会社の関連資料等を持参の上、公安局にて居留許可申請を行うこととなります。この際、注意が必要となる事項は、居留許可申請は中国に入国後30日以内に行わないといけないといった点です。
『中華人民共和国出入国管理法』第78条では、「外国人が不法滞在した場合、警告を与える。事案が重大な場合、不法滞在1日につき500元、総額が1万元を超えない罰金又は5日以上15日以下の留置に処す」とされており、新規取得の際に入国後30日を過ぎた後で申請を行った場合や、更新手続きを怠り居留許可の期限が切れてしまった場合(居留許可には期限があります)などは、オーバーステイとされ行政処罰の対象となります。なお、「1日500元、総額1万元を超えない罰金」と規定があるものの、実務上は、行政側の判断で減額となるケースや、一部免除となるケース(例えば家族の申請もあり、家族分は免除されるなど)もあるようです。
近年、上述の「外国人工作許可証」申請につき、ネットによるオンライン申請が加わるなど手続きに変更があり、このオンライン申請のやり直しを受ける事例なども散見され、「外国人工作許可証」の取得が遅れるケースなどもあると聞いています。「外国人工作許可証」の取得が遅れることにより、当然、その後の手続きである居留許可申請も遅れてしまうため、入国後30日に間に合わないといったケースも出てきているようです。この様なケースにおいては、期限切れとなる前に、人力資源社会保障部門(「外国人工作許可証」発行部門)や公安局に相談することにより救済処置もある様ですので、ご確認されることを推奨します。 (「外国人工作許可証」申請の変更については、第74回「外国人就労許可制度の変更について」をご参照下さい。<URL>http://www.tomin-bc.com.cn/topics/business/904.html) 。
最後に、居留許可の申請は、必要資料一式を交付後7営業日で完了し、同許可証はシール式でパスポートに貼り付けられる形となりますが、申請期間中はパスポート原本を預ける必要があり、その間海外への渡航が不可となりますので、その点についても注意が必要といえます。