きらぼし中国ビジネスQ&A

第 75 回「インターン生の採用について」
第 75 回「インターン生の採用について」
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<質問>
私は上海の貿易会社の総経理です。弊社の中国人従業員は数名なのですが、弊社業務は季節によって多忙で、人手が足らなくなる時期があります。中国では短期間の人材雇用が困難と聞いたのですが、何か良い方法があれば教えて下さい。
 
<回答>
中国では人材派遣会社は存在するものの、日本とは事情が異なり、1~2ヶ月の短期間派遣には色々と制限があります。そのような環境で、短期間だけ人員増員する方法として「アルバイト」と「インターン生」の採用という選択肢があります。
まず、アルバイトの採用については第55回「中国のアルバイト採用について」をご参照下さい。
 
次にインターン生の採用ですが、インターン生はあくまで企業活動を実習するという立場ですので、法律上、労働者という扱いではありません。そのため、通常の雇用と大きく異なるのが①労働契約を締結しない、②社会保険に加入する義務が無い点です。当然給与が発生すれば個人所得税は納税しますが、企業として社会保険の費用負担をせずに人材を採用出来るというのは大きなメリットです。
中国の大学もインターン制度を奨励している節があり、インターン制度を利用した学生には単位を与える大学も多くあります。そのため、学生の中には企業活動を実体験したいという思いだけでなく、大学の単位取得のためにインターン制度に申し込む学生もいます。
企業ごとにインターン生採用のスタンスは異なり、日給を100~150元(約1,700~2,550円、1元≒17円)に設定し、必要な短期間だけ採用しようとする企業もあれば、インターン生を卒業後にそのまま採用しようと、月収を3,000元(約51,000円)以上に設定、医療などの福利厚生を充実させ、優秀な学生を学生のうちに呼び込もうとする企業もあります。
中国では従業員を雇用する場合、試用期間があるものの、採用した人材が優秀か否か見極める期間としては短いため、インターン制度は優秀な人材の選定方法として考えても良いかもしれません。
大学の単位のために夏休みだけインターンを行いたい学生や、4年生になると授業数が減るので週3~5日間フルタイムで出勤できる学生など学生側の状況は様々なため、企業は採用条件を予め提示した上で、面接時に出勤可能日等を個別に確認する必要があります。なかには学生が突然会社に来なくなるケースもあるため、学生と書面を締結せずにインターン生として採用する企業もありますが、書面を締結する場合は、学生と期間・報酬・業務・秘密保持等を盛り込んだ「実習協議書」を締結し、万が一のトラブルを回避されてはいかがでしょうか。
 
以上
都民銀商務諮詢(上海)有限公司 蓑田
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