きらぼし中国ビジネスQ&A

第 74 回「外国人就労許可制度の変更について」
第 74 回「外国人就労許可制度の変更について」
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<質問>
私は今年の10月より上海現地法人にて勤務することが決まっている者です。現在、赴任に向けた事前準備を進めているのですが、最近、中国での就業許可の手続きが変更になったとの情報を耳にしました。就業許可制度の概要、変更点等を教えていただけないでしょうか。
 
<回答>
ご指摘の通り、上海市や北京市など一部の都市で2016年11月より試行運用されていた外国人の就労許可に関する新制度が、2017年4月1日より全国で導入されました。この制度では、従来、外国人の就業許可につき、専門家が取得する「外国人専家証」と一般的な人員が取得する「外国人就業許可証」の2種類が存在していたものを「外国人工作許可証」に統一するとともに、認定基準に基づき外国人はA類(ハイレベル人材)、B類(専門人材)、C類(一般人材)に分類されることとなりました。
A類に該当する条件は厳しく、C類は特殊なケースであるため、一般的な中国赴任者はB類に該当することとなります。このB類に該当するためには、企業管理者や専門スキルを有する者など一定の基準を満たす、または今回新たに導入されたポイント制度(次頁「ポイント計算表」参照)で60点以上に該当する必要があります。また「60歳以下」「学士(大学卒業)以上の学歴」「一定期間の職務経歴を有すること」が必要となることが改めて明確化されました。
今回の制度変更により、現状では条件を満たさない場合、就業許可を取得することがこれまで以上に難しくなってきていると言えます。なお、制度改定後の就業許可の発給状況を上海市外国人人員就業受理センターに問い合わせたところ、「最終判断は書類提出後の審査次第となるため、仮に60点を超えていても大学を卒業していない場合、認可が下りるかは分からない」「直近で大学卒業者以外の申請が約20件あったが、うち審査が認可されたのは1件のみ。その1件については、特殊技術がある証明書に基づくものであり、対外的に発行できる技術証明等がなければ認可は難しい」「A類に該当すれば年齢、学歴、実務経験の制限はないため、A類の基準を満たせば、認可が下りる可能性は高まる。しかし、上海でA類に該当する条件としては、所属企業が世界TOP500などの企業でなければ、個人がクリアできる条件として最も簡易なものは「年収60万元(約1,020万円、1元≒17円)以上/個人所得税12万元(約204万円)以上納付」である」といった回答がありました
制度改定の背景として、「アフリカ・中東・東南アジアから中国への出稼ぎ者が増加し、治安悪化および中国人労働者の雇用機会の損失を防ぐために、ビザの条件を厳格化・明確化している」「所得が多いほどポイントが加算されることより、収入を事前に申告させることで、外国人就業者への課税を強化する狙いがある」とも言われており、今後、市場情勢に応じてビザの発給状況も変化してくることが予想されます。また、制度変更に伴いオンラインシステムでの申請の開始など申請方法にも変更が生じており、認可までに要する期間が長期化しているといった事例も出てきているとのことですので、申請される際は早めにお手続きされることを推奨致します。
 
<参考:ポイント計算表>
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以上
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