きらぼし中国ビジネスQ&A

第 72 回「中国社会保険の動向」
第 72 回「中国社会保険の動向」
このレポートは、すべてお読み頂いて1分15秒です。
<質問>
私は上海現地法人で経理部長を務めています。最近、上海の社会保険につき、納付比率が変わったとの情報を耳にしました。上海においては昨年に続く改定とのことと聞いていますが、中国の社会保険の動向を含め、詳細を教えていただけないでしょうか。

<回答>
まず、中国における社会保険料の納付額は、納付基数と納付比率を基に算出されています。納付基数については、地域毎の前年度(1~12月)の平均賃金を基に上限・下限の数値が設けられており、上海市においては2016年の平均賃金(月額)が6,504元、2017年度の基数上限は平均賃金の300%の19,512元、基数下限は同60%の3,902元とされています。
次に納付比率についてですが、この比率については地域によって多少の差異があるものの、企業負担分は概ね給与(額面)の25~35%前後となっており、世界的にも高く、企業にとって社会保険料の納付が大きな負担となっています。そこで近年、中国政府は企業のコスト引き下げ支援を各地域に指導しており、各地域においてはその指導方針に基づき段階的に納付比率の引き下げを実施しています。
上海市においては、2016年3月に企業負担分の養老保険を1%、医療保険を1%、失業保険を0.5%引き下げ(2016年1月1日にさかのぼって適用)、今回、2017年5月より企業負担分の医療保険を0.5%、失業保険を0.5%、引き下げを実施しています(2017年1月1日にさかのぼって適用)。なお、今回の改定において2017年1月から4月の既納付分については、調整の上、8月に返還される見通しとなっています。
 
<参考:上海市における社会保険料納付比率の推移>
4.jpg
この様に納付比率の引き下げを行い、企業コストの負担軽減を図っていますが、一方で、各地域において平均賃金は上昇し続けており、平均賃金上昇に伴う社会保険料納付基数の上昇(上海市においては、納付基数算出の基となる平均賃金が2015年度5,939元から2016年度6,504元に上昇)を考慮すると、雇用コストの増大は続いている状況といえます。
 
以上
都民銀商務諮詢(上海)有限公司
小原
お問い合わせは tomin_shanghai@tomin-bc.com.cn まで
 
 
 
绮罗商务咨询(上海)有限公司 XFCSS .ALL Rights Reserved 沪ICP备18032119号-1
Copyright Kiraboshi Business Consulting Shanghai Co.,Ltd ALL Rights Reserved

沪公网安备 31010102005043号