きらぼし中国ビジネスQ&A

第 70 回「中国現法の残業問題について」
第 70 回「中国現法の残業問題について」
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<質問>
私は上海現地法人の総経理です。弊社が進出している開発区では残業がないと希望給与に至らず、従業員が簡単に辞めてしまうこともあり法定残業時間を超過して残業をさせることがあります。今後の従業員の残業対策につき検討したく、中国の残業についてご教示いただけますと幸いです。

<回答>
労働法第41条には「使用者は、生産経営の必要により、労働組合及び労働者との協議を経た後に、労働時間を延長することができる。但し、通常は1日1時間を超えてはならない。特別な事情につき労働時間の延長を必要とする場合、労働者の身体の健康を保障するという条件の下、1日3時間を超えない範囲で労働者を延長することができる。但し、1ヵ月36時間を超えてはならない」と規定されています。また同法第43条には「使用者は、労働法の規定に違反して労働者の労働時間を延長してはならない」とされており、第90条には「違法勤務時間延長につき労働行政部門の警告・是正を命じ過料に処する」とありますので1日、及び1ヵ月の法定残業時間を超過することはできません。
会社の処遇等に不満を持つ従業員が労働行政部門へ通告することもあり、通告を受けた同部門も法定遵守をするように改善計画の提出・指導しますので、法定残業時間を遵守する必要があります。また法定残業時間のみならず、超過した部分についても残業の割増賃金について以下の通り支給する必要があります。
(1)平日の残業・・・賃金の150%
(2)土・日の残業・・・賃金の200%
(3)法定休日・祝日・・・・賃金の300%
また代替休暇の付与について、労働法第44条の規定に従い、労働者に休日に時間外労働をさせた場合、まず代替休暇を与えなければいけないとあり、代替休暇を与えることができない場合、賃金の200%を下回まわらない賃金報酬を支払わなければならず、法定休日に時間が労働をさせた場合、賃金の300%を下回らない賃金報酬を支払わなければならず、代替休暇は付与しないことになっています。つまり上記(2)は代替休暇の対応が可能であることに対して(3)は代替休暇の対応が不可であることも注意が必要です。
残業は「労働組合及び労働者の協議」が前提となっていますが、大半の企業が就業規則、労働契約書や残業規定等にルールが記載するのみで、原則、残業の協議の実施していないことが多いため、入社時や残業実施時に協議を実施して一筆入れてもらうことも選択肢の1つかと存じます。いずれにしましても効率化・増員等により現状の残業を法定残業時間を超過しないように運営することが必要になります。
 
以上
都民銀商務諮詢(上海)有限公司
渡邉 和俊
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