きらぼし中国ビジネスQ&A

第 67 回「非居住者の不動産売却について」
第 67 回「非居住者の不動産売却について」
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<質問>
私は上海現法に勤務する駐在員です。すでに家族帯同で駐在しており、駐在期間も長期化することが予想されることから日本で所有する自己の居住していたマンションの売却を検討しております。このたび、不動産仲介業者から連絡があり買い手が見つかったとの連絡がありました。売却に際して注意点がありましたらご教示ください。

<回答>
日本の所得税法では、「居住者」とは、国内に「住所」を有し、又は、現在まで引き続き1年以上「居所」を有する個人をいい、「居住者」以外の個人を「非居住者」と規定しています。「住所」は、「個人の生活の本拠」をいい、「生活の本拠」かどうかは「客観的事実によって判定する」ことになります。ですから今回は非居住者の不動産売却の注意点になるかと存じます。
 
まず非居住者に対する課税ですが、不動産の売買代金が1億円以下であり、かつ、譲り受けた個人が自己又はその親族の居住の用に供する不動産の場合であれば源泉徴収税は発生しません。また居住の用に供しなくなった日から3年以内は居住用財産の特例の適用は可能です。他の所得と通算出来る場合は5年を超えて保有する居住用の不動産で、住宅ローンの残高がある場合になります。この要件に該当する場合は繰越控除も可能です。その他の所得も含めて日本国内で所得が発生し確定申告が必要になる場合、納税管理人を定めて「所得税の納税管理人の届出書」を、その人の納税地を所轄する税務署長に提出する必要があります。
 
また売買契約にあたり不動産登記情報の住所変更をする必要があります。すでに住所は上海市となっていますので、住所変更のために在留証明の取得が必要になります。更に日本では転出届を提出して住民票除票をしていると思いますので、印鑑証明書も取得できません。印鑑証明書がないと売買契約・不動産登記ができませんので、代替して署名(拇印)証明を取得します。売買契約は拇印でする必要があります。
 
上記の在留証明、署名(拇印)証明は在上海日本国総領事館で取得することになります。取得条件として申請人は日本国籍を有している者に限る、原則日本に住民登録を有していないこと、在留証明については総領事館管轄地域であること、及び「在留届」の提出をしていることが求められます。また取得にあたり本人であることが確認できる文書(パスポート等)、住所を立証できる公的文書(最新の臨時宿泊登記書や外国人就業証等)が必要になり、当日総領事館に持参すれば両証明ともに即日発行してもらうことができます。尚、売買契約や登記手続きのために、何度も日本に渡航できるわけではありませんのでスケジュール・必要書類は充分にご確認ください。
 
都民銀商務諮詢(上海)有限公司
渡邉 和俊
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