きらぼし中国ビジネスQ&A

第 66 回「従業員の解雇について」
第 66 回「従業員の解雇について」
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<質問>
私は上海工場の人事部長です。工場の管理機能を強化したところ、一部の従業員の職務怠慢や業務ミスの連発が発覚しました。就業規則の規定通り警告をしましたが、改善の兆しがまったく見られません。中国は労働者保護色の強い国で労働者の解雇は難しいと聞き及んでいます。対象の従業員が改善しなかった場合、就業規則違反として労働契約を解除することができるのでしょうか。よろしくご教示ください。

<回答>
まず中国では使用者側の労働契約解除について、労働契約法で「即時解除(第39条)」、「予告解除(第40条)」、「人員削減解除(第41条)」と規定がされています。今回は「即時解除事由に該当するかどうか」になります。
労働契約法第39条には次に掲げる状況のいずれかに該当する場合、使用者は労働契約を解除できるとしています。今回、具体的には「下記②、③に該当するか」になります。
① 試用期間において採用条件に不適格であることが証明された場合
② 使用者の規則制度に著しく違反した場合
③ 重大な職務怠慢、私利のための不正行為があり、使用者に重大な損害を与えた場合
④ 労働者が同時に他の使用者と労働関係を確立し、当該使用者の業務上の任務の完成に重大な影響を与え、又は使用者から是正を求められたがこれを拒否した場合
⑤ 詐欺、脅迫の手段をもって又は人の弱みにつけこんで、相手方にその真意に反する状況下で労働契約を締結又は変更させた場合
⑥ 法に従い刑事責任を追及された場合
但し、労働契約法第4条に「使用者は、労働報酬、勤務時間、休憩休暇、労働上の安全衛生、保険及び福利厚生、従業員研修、労働規律並びに労働定額管理等の労働者の切実な利益に直接的に係わる規定制度又は重大事項を制定、修正又は決定する場合には、従業員代表大会もしくは従業員全体の討論を経て、試案及び意見を出し、労働組合もしくは従業員代表と平等に協議により確定しなければならない」と規定がされています。就業規則の即時解除事由に該当するとしても、対象の従業員が「内容の理解不足」、「就業規則の存在の否定」を主張するケースもあり、就業規則の日頃からの周知徹底、受領・一読を声明する署名、就業規則違反をしている状況証拠の収集等、解雇通告をした後、労働仲裁に発展した場合、争点となりますので注意が必要になります。
 
都民銀商務諮詢(上海)有限公司
渡邉 和俊
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