きらぼし中国ビジネスQ&A

第 63 回「集団契約の締結について」
第 63 回「集団契約の締結について」
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<質問>
私は上海現地法人の人事担当者です。今回、進出地の労働保障行政部門から通告があり、集団契約を締結するように指導がありました。弊社は従業員個人と個別に労働契約書を締結しており、工会(=労働組合)も存在し、特に工会から集団契約を締結してほしい等の要求もありません。但し、労働保障行政部門からの集団契約締結の指導は過去にも複数回あり、今回は無視するわけにもいかず集団契約を締結することを検討しております。留意点等がありましたらご教示ください。

<回答>
中国の集団契約の根拠法は、労働関連法や集団契約規定(労働社会保障部令【2004】第22号)になります。労働法第33条には「企業の従業員側は、企業と労働報酬、労働時間、休憩・休暇、労働安全衛生及び保険福利等の事項について集団契約を締結することができる、集団契約は、工会代表の従業員が企業と締結する」、また第35条には「法により締結された集団契約は、企業及び全従業員に対して拘束力を有する。従業員個人と企業が締結する労働契約中の労働条件及び労働報酬等の基準は集団契約の規定を下回ってはならない」と規定があります。上記は集団契約規定にも同主旨内容の規定がされています。つまり集団契約は企業と工会が締結し、全従業員に対して効力を有し、個別に締結している労働契約書よりも優先されることになります。
 
実際に従業員と使用者が集団契約又は個別項目集団契約(以下、集団契約等)を締結する場合、集団協議の方式を採択しなければなりません。また集団協議を行う双方の代表者の人数は同数でなければならず、双方少なくとも3名とし、かつそれぞれ1名の首席代表を確定しなければなりません。尚、従業員側の協議代表は工会から選出し、首席代表は工会の主席が担当することになります。
 
集団協議は双方の首席代表が意見をとりまとめて集団契約等の草案を作成し、双方の首席代表が署名することになりますが、最終的に労働保障行政部門へ送付して審査を受けなければなりませんので、集団契約等の作成に至っては労働保障行政部門から雛形を提供してもらう、草案作成に至っては事前に相談する等の対応が必要になります。
 
また完成した集団契約等の草案は従業員代表大会又は全従業員の討論に付し、草案を討論する場合、3分の2以上の従業員代表又は従業員が出席しなければならず、それぞれ過半数以上の同意を得なければ草案を採択できません。更には集団契約等の有効期間は一般に1年から3年までとし、期間満了すると直ちに終了し、契約再締結又は更新にはいずれの一方から期間満了前の3ヵ月以内に要求しなければなりませんので注意が必要です。関連根拠法についてはよくご確認ください。
 
都民銀商務諮詢(上海)有限公司
渡邉 和俊
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