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第 61 回「未消化の有給について」
第 61 回「未消化の有給について」
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<質問>
私は上海製造現地法人の日本人総経理です。今回、従業員の有給の取得状況を確認したところ、複数人が昨年度の有給の消化ができていないことが判明しました。昨年末から年初にかけて旧正月前で繁忙日も多かったことが原因かと思います。今後の対応につき留意点等があればご教示ください。

<回答>
まず有給に関する関連規定は「従業員年次有給休暇条例(国務院令【2008】第514号、以下本条例とする)」及び「企業従業員年次有給休暇実施規則(人力資源社会保障部令【2008】第1号、以下本実施規則とする)」になります。
 
本条例第2条には「従業員が連続して1年以上勤務した場合、有給を享受する」とあり、第3条には「従業員の累計勤務が満1年以上10年未満である場合、有給は5日間とし、満10年以上20年未満である場合、有給は10日間とし、満20年以上である場合、有給は15日間とする」と規定されています。ここでの注意点は「連続して1年以上勤務した場合」という期間が貴社での勤務年数に限定されないことで、前職も含めた累計勤務年数になることです。そのため、ベテランの中途採用の従業員の場合、貴社勤務の初年度から10日間、15日間といった有給を手配する必要があります。
 
また本条例第5条には「有給は1年度内で集中して手配することも分割して手配することもできるが、原則として年度を跨がないように手配する。企業が生産又は業務の特質により年度を跨いで手配する必要がある場合、1年度を跨いで手配することができる」と規定されていますので、昨年度の未消化有給は今年度中に手配していただく必要があります。更には本実施規則第9条には「使用者は、業務上の必要のために従業員に有給を手配することができない場合、又は年度を跨いで有給を付与する場合、従業員本人の同意を得なければならない」とあり、従業員の同意が前提となります。
 
有給の金銭補償につき本実施規則第10条には「従業員の同意を得て有給を付与しない、所定より少ない場合、従業員の未消化の有給日数につき日額賃金の300%の基準で有給賃金を支払わなければならず、これには通常の勤務期間の賃金収入が含まれる」とありますので、貴社が昨年度の未消化有給賃金を支払う場合、追加で日額賃金の200%(100%分は通常賃金で支払済み)を支払うことになります。尚、従業員個人都合で有給を取得しない旨を書面で申し出た場合、通常勤務期間の賃金収入のみ(=追加なし)となります。原則、日額賃金は直近12ヵ月の時間外労働手当を除く従業員の月額平均賃金を月次給与計算日数(21.75日)で割って計算をしますのでご留意ください。
 
都民銀商務諮詢(上海)有限公司
渡邉 和俊
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