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第 58 回「人口計画生育法の改定と就業規則の変更」
第 58 回「人口計画生育法の改定と就業規則の変更」
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<質問>
私は上海現法で総経理をやっている駐在者です。今年、「人口計画生育法」が改定されて、所謂、一人っ子政策が廃止になったと聞き及びました。二人っ子政策、法定休暇が変更になったようですが、各地の地方条例で内容が異なると聞き及んでいます。就業規則の改定の必要もあるかと思いますので内容につきご教示ください。

<回答>
2016/1/1より「人口計画生育法」の改定が施行され、「上海市人口計画生育条例(以下、条例)」の修正案につきましても公布されて3月1日より実施されています。条例も人口計画生育法に対応しており、「2人の出産の提唱」、「晩婚晩育の奨励廃止」をしております。
 
結婚休暇は旧条例の3日から7日増加して条例では10日になりました。もともと晩婚休暇が7日間でしたので、日数では相違がない内容になっています。
 
また旧条例では晩育休暇30日、法定出産休暇98日となっていましたが、条例では法定出産休暇98日に30日の生育休暇を付加するものとなり、上記同様に日数では相違がない内容になっています。また男性従業員も配偶者出産休暇10日取得できることになりました(旧条例では3日)。
 
就業規則の改定については、労働契約法第4条に「使用者は、労働報酬、勤務時間、休憩休暇、労働上の安全衛生、保険及び福利厚生、従業員研修、労働規律並びに労働定額管理等の労働者の切実な利益に直接的に係わる規定制度又は重大事項を制定、修正又は決定する場合には、従業員代表大会もしくは従業員全体の討論を経て、試案及び意見を出し、労働組合もしくは従業員代表と平等に協議により確定しなければならない」と規定されており、今回の改定は「休憩休暇」に該当します。また同条には「使用者は、労働者の切実な利益に直接的に係わる規則制度及び重要事項の決定を公示するか又は労働者に告知しなければならない」ともありますので手続きが必要になります。
 
最後に一般論ですが就業規則の改定は労働組合との協議、公示等の手続きを行っても、従業員が「改定を知らなかった」と主張するケースは少なくありません。そのため改定した就業規則を全員に配布する、勉強会を行って参加者にサインをもらっておくこと等の方法もあるかと思います。
 
尚、結婚休暇及び出産休暇等に係わる就業規則の該当箇所の改定(案)を掲載させていただきますのでご参照いただければと存じます。
 
改定(案)

第○条 結婚休暇

1. 従業員が結婚する場合、本人の事前申請により、国及び上海市の関連規定に基づき結婚当日を含む有給休暇を取得することができる。結婚休暇日数は10日とする(所定地の法律に別途規定がある場合はその規定に基づく)。
2. 結婚休暇は、従業員1人一回しか取得できない(公司との労働関係が存続する期間中に取得した結婚証を根拠とする)。
3. 結婚休暇を取得する場合、政府所定機関から発行される結婚登記証明書を提出しなければならない(場合により事後提出も可能)。

第○条 出産休暇、授乳休暇及び配偶者出産休暇

1. 国の計画出産政策に符合する女性従業員は、出産前後に最長で合計98日(難産または双生児等多産(2人目から1人につき)の場合、15日追加)の有給出産休暇及び生育休暇30日を取得することができる。生育休暇は出産休暇同様の待遇を享受することができ、男性従業員も配偶者出産休暇10日を取得できる。法定条件を満たす状況の下で、授乳休暇については、国及び上海市の関連法律規定に基づく。
2. 出産休暇、授乳休暇及び配偶者出産休暇を取得する場合、政府所定機関から発行される出生証明書及びその他の関連証明書を提出しなければならない(場合により事後提出も可能)。

 
 
都民銀商務諮詢(上海)有限公司
渡邉 和俊
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