きらぼし中国ビジネスQ&A

第 52 回「中国の工会について」
第52回「中国の工会について」
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<質問>
弊社は上海現法を保有しています。今回、所在地域を統括する上級総工会から工会を設置するように指導を受けました。このような場合、工会は設置しないといけないのでしょうか。または設置した場合、会社側の留意点や負担等がありましたらご教示ください。

<回答>
中国には日本の労働組合にあたる「工会」が存在しています。日本とは若干存在意義が相違する点があり、社会主義経済、労使対立不存在を前提としていること等があげられます。
 
まず「工会を設置しないといけないのか」ですが、企業側には自ら工会を設置する義務はありません。一方、労働法第7条では「労働者は、法により工会に参加し、及びこれを組織する権利を有する」と規定がありますので、労働者側から工会を設置したいとの申し出があれば、それを拒否することはできないことになります。
 
工会法第10条では「企業、事業単位、機関は、25名以上の会員を有する場合、基層工会委員会(=工会の運営組織)を設置しなければならない、25名に満たない場合は、単独で基層工会委員会を設置することもでき、または2つ以上の単位の会員が共同で設置することができる」と規定されています。尚、工会の関連法規では基層工会委員会の選出は民主的選挙により選出され、企業の主責任者の近親者は候補になれないとあり、企業の意思で選出することができませんが、董事会が労働報酬、生活福利、安全生産、労働保護、社会保険等の従業員の切実な利益にかかわる問題を検討して決定するときは、工会の意見徴収や工会委員会代表の董事会列席を求める必要がある等、一定の経営への関与が認められていますので、工会委員会のメンバーは従業員にも人望があり董事会(=経営陣)の理解力・従業員への説明力がある方に就任してもらえることが望ましいと言えます。
 
更に従業員が200名以上の企業の場合、専従で工会主席を設置できるとあり、原則、任期満了前の業務配置換えもできず、労働契約期間も任期満了より短い設定にできない等の制約もありますので注意が必要です。
 
工会は労働契約締結の支援・指導の側面で従業員を代表して企業と平等な協議ができることのみならず、企業が従業員を処分する場合、不適切であれば意見を提言する権利もあり、労働契約の一方的な解除の場合、事前に理由を工会へ通知しなければなりません。
 
尚、工会運営費用は会社の負担も発生し、その負担は全従業員の賃金総額の2%となること、原則、工会活動は就業時間外としているものの、使用者の同意を得れば就業時間を使用することも可能とされており、その場合、毎月3営業日以内であれば通常の賃金支給となります。
 
 
以上
都民銀商務諮詢(上海)有限公司 渡邉
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