きらぼし中国ビジネスQ&A

第 49 回「日本本社払いの給与」
第 49 回「日本本社払いの給与」
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<質問>
弊社は現在上海で販売会社を設立している現地法人です。現地法人設立後、すぐには十分な売上が見込めないことから、日本本社から出向する日本人駐在者の給与負担を日本本社と現地法人で半々とすることを想定しています。何か問題になるでしょうか。教えてください。

<回答>
まず基本的な考え方ですが、新設する現地法人は日本本社とは別法人になりますので、そこに出向する日本人駐在者の給与は現地法人が全額負担するべきものとなります。現地法人が支給すべき給与を日本本社が支給する場合、日本の法人税法上、「寄付金」として認定されて損金不算入となるケースがありますので注意が必要です。
 
一方、現地法人の経営環境によっては必ずしも出向者に対して出向前の給与水準を維持して支払えるものでもありませんので「較差補填」を認める旨の以下の通達が出ています。
 
【通達】国税庁法人税基本通達9-2-47
出向元法人が出向先法人との給与条件の較差を補填するため出向者に対して支給した給与の額(出向先法人を経て支給した金額を含む。)は、当該出向元法人の損金の額に算入する。(注)出向元法人が出向者に対して支給する次の金額は、いずれも給与条件の較差を補填するために支給したものとする
 
1.出向先法人が経営不振等で出向者に賞与を支給することができないため出向元法人が当該出向者に対して支給する賞与の額
 
2.出向先法人が海外にあるため出向元法人が支給するいわゆる留守宅手当の額
 
但し、どの水準までの較差補填が損金算入できるかとの基準は定められていませんので、個別企業ごとに判断されることになります。
 
また較差補填が適用されるかを問わず、出向する日本人駐在者の場合、現地法人からの給与だけでなく、日本本社払いの給与についても、中国で勤務している対価として合算して納税申告する必要があります。中国での無申告、過少申告に対するペナルティは追徴税額の50%以上500%以下の加算税及び18.25%の延滞税を支払わなければなりませんので注意が必要になります。尚、無申告等に対する追徴には時効が設けられていませんのでご留意ください。
 
 
以上
都民銀商務諮詢(上海)有限公司 渡邉
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