きらぼし中国ビジネスQ&A

第 43 回「中国人スタッフの残業・休日出勤について」
第43回「中国人スタッフの残業・休日出勤について」
このレポートは、すべてお読み頂いて1分35秒です。 
<質問>
  弊社は新設会社で12月は中国人スタッフに残業、休日出勤を要請したいと考えています。これまで残業、休日出勤をさせたことがなく、そもそも中国人スタッフにそのような指示を出すことができるのでしょうか。また休日出勤の割増賃金や振替休暇等の取り扱いについてご教示ください。
 
<回答>
  年末は出張者も多く期末ということもあり、日本人・中国人に関係なく残業、休日出勤は多いかもしれません。
 
労働時間の延長については「使用者は、生産経営の必要により労働組合及び労働者との協議を経た後で労働時間を延長できるとし、通常1日につき1時間、労働者の身体の健康を保障することができる場合、3時間を超えない範囲で延長できる」と労働法第41条に規定されています(但し1か月36時間を超過してはならない)。つまり使用者が一方的に時間外労働を強制したときは、労働者は拒絶する権利を持っているということになります。
 
一方で一般的な就業規則等の時間外労働の関連条項では「会社は必要に応じて時間外労働及び休日勤務をさせることができる」等の記載がされており、労働組合や労働者と協議するとの文言がない規定が多いかと思います。休日出勤の場合、休日出勤申請書等で本人の意思確認ができているかと存じますが、平日の残業まではそこまで管理されていない企業も多いかと存じますので、事前に残業申告をしてもらう等の工夫が必要かと思います。
 
また割増賃金については「労働時間の延長(残業)については賃金の150%を下回らないこと、休日出勤については代休を手配することができない場合、賃金の200%を下回らないこと、法定休日・祝日出勤については賃金の300%を下回らないこと」と労働法第44条に規定されています。ここでポイントになる点は、残業と法定休日・祝日出勤は振替調整ができないこと、一方、休日出勤は代休を手配することができれば割増賃金は発生しないことになります(但し、変形労働時間・裁量労働時間制が適用される労働者については別途関連規定がありますのでご注意ください)。
 
尚、残業や休日出勤の割増賃金は以下のように計算されますのでご参照ください。
 
(例)通常手取給与5,000人民元/月の中国人スタッフが休日出勤1日、残業15時間をした場合
計算式:
休日出勤1日=229.89人民元/日(5,000人民元÷21.75日(※)、少数点第2位四捨五入)×1日×200%=459.78人民元
残業15時間=28.74人民元/時間(5,000人民元÷21.75日÷8時間(※))×15時間×150%=646.65人民元
 
割増残業含む手取給与合計:5,000+459.78+646.65=6,106.43人民元
 
※月当たり賃金計算日数=(365-104日(休日))÷12か月=21.75日、一日の労働時間は8時間で計算されます(労働者の年間、月平均労働時間及び賃金の換算問題に関する通知を参照)。
 
 
 キーワード:中国 残業 休日出勤 計算
 

 以上
都民銀商務諮詢(上海)有限公司 渡邉 和俊

 

 

绮罗商务咨询(上海)有限公司 XFCSS .ALL Rights Reserved 沪ICP备18032119号-1
Copyright Kiraboshi Business Consulting Shanghai Co.,Ltd ALL Rights Reserved

沪公网安备 31010102005043号