第 41 回「新入社員の個人所得税と社会保険について」
第41回「新入社員の個人所得税と社会保険について」
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<質問>
弊社は上海に所在する販売現地法人です。順調に許認可手続きが完了して中国人の社員を採用しました。まずは営業、総務スタッフを各1名採用しました。それぞれの手取給与は営業12,000人民元、総務4,000人民元で労働契約を締結しています。手取給与以外にも個人所得税や社会保険料が発生すると聞いていますが、最終的に会社負担分はいくらになるのでしょうか。
<回答>
まずは順調に許認可手続きが終了したとのことで開業おめでとうございます。これから本格稼働ということで新入社員の活躍を期待しております。それでは早速ですが、個人所得税、社会保険と会社負担合計を計算してみましょう(以下、通貨は人民元です)。
○個人所得税率
中国人の基礎控除は3,500(外国人4,800)となっています。手取給与から計算した個人所得税額は以下になります。
(営業)12,000-3,500=8,500=税抜き所得額4等級
(総務)4,000-3,500=500=税抜き所得額1等級
○社会保険税率(上海の都市戸籍の場合)
社会保険の納付基数は通常は直近の支給実績月平均の給与から考えますが、今回は新入社員になりますのでそれぞれの最初の手取給与から計算します。尚、上記表にあるように納付基数は上限と下限(2015年上海市平均給与5,939人民元/月、上限は平均給与300%、下限は60%)が設定されています。手取給与から計算した社会保険納付基数及び社会保険料は以下になります。
例:(営業)養老保険計算方法:16,356×(会社0.20+個人0.08)=4,579.68
※住宅公積金のみ小数点以下が繰り上がりますのでご注意ください。その他は小数点第3位が繰り上がります。
(営業)
(手取12,000+個人所得税1,493.33)÷(1-個人負担社会保険率合計0.175)=16,355.55515
営業は計算すると社会保険の納付基数は小数点以下が繰り上がり16,356になります。
<社会保険料>
養老4,579.68+医療1,962.72+失業245.34+生育163.56+労災81.78+住宅公積金2,290=9.323.08
(総務)
(手取4,000+個人所得税15.46)÷(1-個人負担社会保険率合計0.175)=4,867.22424
総務は計算すると社会保険の納付基数は小数点以下が繰り上がり4,868になります。
<社会保険料>
養老1,363.04+医療584.16+失業73.02+生育48.68+労災24.34+住宅公積金682=2,775.24
○会社負担合計
(営業)
手取12,000+個人所得税1,493.33+社会保険料会社・個人負担合計9,323.08=22,816.41(手取比190.14%)
(総務)
手取4,000+個人所得税15.46+社会保険料会社・個人負担合計2,775.24=6,790.70(手取比169.77%)
合計:29,607.11
以上
都民銀商務諮詢(上海)有限公司 渡邉 和俊