第 14 回「董事会で決めること」
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<質問>
弊社は昨年秋に上海に独資で販売現地法人を設立しました。先日、会計士による会計監査が終了 し、今月中には決算書が出来てくる予定です。そろそろ董事会を開かないといけないと先日某同業 の知り合いから聞いたのですが、董事会では何を決議すればいいのでしょうか?
<回答>
まずは無事に決算期を終了し会計監査が実施できましたこと、お慶び申し上げます。
さて、ご認識の通りそろそろ現地法人各社が董事会の準備を始めていることかと存じます。おお
よそ以下の点が各社の董事会における決議事項になると思われます。
1. 決算の承認
2. 利益準備金、従業員奨励福利基金積立率の決定
3. 配当実施有無及び実施額決定
その他、必要に応じて予算計画承認や高級管理職人事等が議案として出てくることになります。
上記 2.の利益準備金及び従業員奨励福利基金の各積立率について補足の説明を致します。
利益準備金は、税引後利益の 10%以上を積立てることが法令で定められたもので、登録資本金の
50%に達するまで積立てを続けなければなりません。積立率は 10%以上であれば董事会で自由に
決めることができます。
従業員奨励福利基金は、その名の通りの目的で従業員に対する債務として会計計上されます。実 はこの従業員奨励福利基金、新会社法施行(2006 年 1 月)以降は、その積立て義務がなくなって います(財企「2006」67 号通達、2006 年 3 月 15 日公布)。但し、貴社の定款の中で積立てること が規定されている場合には、定款の規定により積立てを実施し、用途・使用条件・使用手順を明確 にしたうえで負債管理しなければなりません。もし、従業員奨励福利基金積立ての規定が定款にあ るが積立てを必要としない場合には、董事会にて「ゼロ」料率での積立てを決議する方法もありま す。