きらぼし中国ビジネスQ&A

第 135 回「中国の介護休暇政策について」

<質問>
私は上海を所在とする日系現地法人の総経理です。弊社従業員の高齢化が進む中で介護休暇制度が今後必要になってくると思い、就業規則見直しを検討しております。2022年8月現在、上海市の政策を調べてみると上海には未だ介護休暇制度が整備されていないようで、弊社の就業規則にもこれまで介護休暇制度を設けてきませんでした。今後上海市の政策が出てくれば良いのですが、もし他地域において介護休暇制度について参考となる政策があればご教示下さい。

 

<回答>
貴社にてご確認された通り、上海では未だ介護休暇制度について政策が出ておりません。しかし中国全体で見ますと、2020年に国家医療保険局が介護保険制度に関する指導意見を公布し、制度拡大を明確にしております。さらに都市によっては介護保険制度に関する通知を出しており、徐々に整備がなされ始めています。以下に各地域の介護休暇制度の事例を一部紹介しますのでご確認下さい。地域によっては、休暇だけでなく介護休暇中の賃金までも補償しているようです。

 

北京市(「北京市人口及び計画出産に関する規則」第25条)
一人っ子の父母が介護を必要とする場合、当該子女に年間合計10日以内の介護休暇を付与する。

 

浙江省(「浙江省人口及び計画出産条例」第28条)
一人っ子家庭の父母のうち、1人が60歳に達した時は、当該子女に対し年間合計5日の父母介護休暇が与えられる。会社は父母介護休暇中の給与、賞与及びその他の手当を通常通り支払わなければならない。

 

安徽省(「安徽省人口及び計画出産条例」第36条)
「独生子女父母名誉証」を有する者は以下の特典を受けることができる。「(証書を有する者が)入院した場合、その子女へ年間合計20日の介護休暇を付与する。介護休暇期間中は、賃金、賞与、及び福利厚生において通常の出勤と同じ待遇を受けることができる。

 

綺羅商務諮詢(上海)有限公司 小林

绮罗商务咨询(上海)有限公司 XFCSS .ALL Rights Reserved 沪ICP备18032119号-1
Copyright Kiraboshi Business Consulting Shanghai Co.,Ltd ALL Rights Reserved

沪公网安备 31010102005043号