きらぼし中国ビジネスQ&A

第 124 回「休業制度の導入について」

<質問>私は中国に貿易商社現法を有する総経理です。コロナ以降、売上減少に悩んでおり、今後の現地法人の方向性について検討しております。そんな中、先日 、2022年3月より休業制度が始まるといった記事を目にしました。概要についてご教示いただけますでしょうか?


<回答>
2022年3月1日より「中華人民共和国市場主体登記管理条例」が実施され、当該条例の第30条にて、国の制度として初めて休業(休眠)制度が導入され、合法的に休業が可能となります。(※現在の会社法によると、企業の営業停止期間が6か月以上経過した時点で、当局に会社登記を抹消されてしまう可能性有。)背景として、コロナの影響を受け一時的に正常に経営ができないものの、経営継続意欲がある企業の「運営維持コストを抑える等」のニーズに対応する点が挙げられます。 現時点で公布されている休業制度に関する主な概要は、①自然災害、事故災害、公共衛生事件、社会安全事件等の原因で経営が困難となった場合、休業可能(休業前に登記機関に届出を行う必要あり)。②休業前に従業員と法にもとづき労働関係について協議しなければならない。③休業期間は最長3年を超えてはならない。といった点です。
ここで一番頭を悩ます点は②の労働問題だと思料されます。休業を理由として従業員との協議の上で労働契約を解除する場合は経済補償金の支払いが必要になります。
一方、休業中も契約を継続する場合には、休業中の支払給与について協議しなければなりませんが、現在公布されている内容には「休業中の給与支払に関する規定」が定められておりません。給与支給の必要がない等色々な可能性が検討できますが、次に記載する給与支払関連規定を参考にする可能性も考えられます。「給与規定暫定規定(第12条)」では、「(一時帰休の際)労働者が正常労働を提供しない場合は、国の関連規定に従って取り扱う」とあります。また各地方により細則規定が異なり、「上海市企業給与支払办法(第12条)」では、「一時帰休が一給与支払期間を超えた場合、双方で新たに約定をすることができるが、最低賃金を下回ってはならない」とあります。一時帰休と今回の休業を同じものと見なすか等の不明点も残されており、今後発表される実施細則等に注目したいですね。なお、2020年末には、企業間の契約により「従業員のシェア」ができる政策が公布されました(参考)。コロナ発生以降、様々な企業のニーズに対応した政策が次々と公布されていますので上手く活用していきたいですね。

綺羅商務諮詢(上海)有限公司 佐藤

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