きらぼし中国ビジネスQ&A

第 122 回「安全生産法の改正について」

<質問>
私は中国の生産現地法人の総経理を務めています。ここ数年政府による安全生産(労働者の安全・健康の確保や災害防止の取組)関連の対策要求レベルが一段と強くなっております。そこで、安全生産対策に関する法律の動向をご教示いただきたいです。

 

<回答>
2002年に安全生産の基礎法となる「中華人民共和国国家安全生産法」が施行され、2009年・2014年に次ぐ3度目の改正として、2021年6月11日に承認された新「安全生産法」が2021年9月1日より施行されます。中国における労災事故は減少傾向ですが、新たな発展段階に突入している現在、更に高い対策が求められています。今回は本改正の主要変更点をご説明します。
主要変更点は、①生産経営企業の主体責任の強化、②生産経営企業及びその責任者の安全生産違法行為の処罰程度の引き上げ、③地方政府と関連部門の安全生産監督管理職責の更なる明確化等です。以下、①と②の内容の一部抜粋です。
①:
√生産経営企業の主要責任者は本企業の安全生産の第一責任者であり、その他の責任者は職責の範囲内の安全生産業務の責任を負うことを明確にする(第5条)
√国家規定の危険性が高い業界・領域の生産経営企業は、安全生産責任保険に加入しなければならない(第51条)
②:
√生産安全事故が発生した場合、企業に対して、法律に基づき相応の賠償等の責任を負うことを要求するほか、事故等級(一般~特別重大の4等級)に基づき罰金を科す(第114条)
(罰金金額:現状の20万~2,000万元から30万元~1億元に引き上げ)
√生産経営企業が規定に違反し是正を命じられ、罰金や処罰を受けたにも関わらず拒否した場合、是正を命じられた日の翌日から処罰額に基づき日割りで連続して処罰可能(第112条)
√生産経営企業の主要責任者が安全生産管理の職責を履行しておらず、生産安全事故が発生した場合、事故等級に基づき罰金を科す(第95条)
(罰金金額:現状の年収の30~80%から、40~100%に引き上げ)
本年9月の改正法施行前に、今一度社内にて安全生産対策の重要性を認識したいですね。

 

綺羅商務諮詢(上海)有限公司 佐藤

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