きらぼし中国ビジネスQ&A

第 119 回「上海市でのコロナワクチン接種について」

<質問>
私は上海市内で生活する日本人駐在員です。中国では新型コロナのワクチン接種が進んでおり、上海市では外国人でもワクチンが接種できるようになったと聞きました。申し込み方法や、条件、留意する点等があれば教えていただけますでしょうか。

 

<回答>
中国国内報道によると、2021年4月17日時点で、中国全土で接種されたコロナワクチンは約1億9千万回に上るそうです。中国当局は6月末までに全人口の4割への接種完了を目指しており、最近上海の居住区でも接種推進の張り紙が多く見られるようになりました。中国の家庭では自身が所属する地区の民生委員から接種を強力に薦められる電話もあるそうです。
そのような中、上海市でも3月末までには約246万人がワクチンを接種しており、3月29日からは外国人も予約接種ができるようになりました。
接種できるのは中国で承認されている国産不活化ワクチンで「自主申請、自己負担、自己責任」が条件となります。費用は1回100元(約1,660円)で2回の接種が必要となります。中国籍の人は自己負担がなく、外国籍の方は中国の社会保障医療保険に加入している方のみが無料で接種できます。

 

ワクチン接種予約の流れ
① 健康クラウドアプリ「健康雲」をダウンロードし、QRコードをスキャン
② 名前、パスポート番号、国籍、携帯電話番号、住所等必要事項を入力し登録
③ 登録後、接種日時、接種機関を予約
④ 予約日に予約機関にてワクチンを接種
⑤ 接種後はその場にて30分の待機(健康観察)

 

 

 

 

 

接種前後の注意点
① 接種前14日以内に他のワクチンを接種してはいけない
② 接種前夜、当日に飲酒してはいけない
③ 発熱等身体に不調がある場合は接種できない
④ 接種後、海鮮(生魚)や辛い物を控え、良く睡眠をとる
最近では接種前後の行動について多くのQ&A情報が出回っており、堅いものだと入浴禁止や1週間の飲酒禁止、緩いものだと、入浴OK、軽度の運動や飲酒OKというものまであります。どれを信じるかは自分次第のところがありますが、一般的な予防接種と同等の対応をしていれば大丈夫なようです(注:接種により重大な副反応が出るかどうかとは別問題です)。

 

 

 

 

 

 

 

日本人の状況
日本人も接種を受けている人がいらっしゃいますが、春節以降、上海市内でコロナが発生しておらず、切迫感はありません。中国政府が厳しく求めている隔離条件の緩和や、再入国が自由になる等のメリットがでてこない限りはワクチンを急いで接種する必要がないため、しばらくは様子を見ようという人が多いように見受けられます。
一方で、今後の政府方針次第でワクチンを接種していないと飛行機や高鉄(新幹線)に乗れない、ホテルに宿泊できない、健康QRコードが緑色(正常)にならず商業施設に入れない、等の弊害が出てくる可能性も懸念されることから、今後の状況の変化には注視したいところです。

 

留意点
最後に日本への一時帰国を検討されている方への留意事項です。中国でのワクチン接種は2回の接種をもって完了とみなされます。1回だけ接種して、日本に帰国、日本から中国へ戻る際のダブル陰性証明(PCR検査と血清抗体検査)でワクチン接種の影響で陽性反応がでてしまった場合、入国が許可されない恐れ等、予定通りに戻って来られない可能性がありますので、一時帰国の可能性がある方は接種しない、またはきっちり2回接種してからご帰国されますようご留意ください。

 

以上
綺羅商務諮詢(上海)有限公司 杉山

绮罗商务咨询(上海)有限公司 XFCSS .ALL Rights Reserved 沪ICP备18032119号-1
Copyright Kiraboshi Business Consulting Shanghai Co.,Ltd ALL Rights Reserved

沪公网安备 31010102005043号