きらぼし中国ビジネスQ&A

第 110 回「コンサルティングフィーの海外送金について」

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<質問>
私は上海市にある製造業(A社)の総経理を務めています。今次、日本のB社から技術指導を受ける予定であり、この対価としてB社に300万円の送金をしたいと考えております。送金するためにはどのような手続きが必要か、また、この対価に対する課税についてご教示ください。


<回答>
送金手続きを行うためには、銀行ごとで違いはありますが、一般的にA社とB社で締結する「契約書」と、B社がA社に対して請求する「請求書」が必要となります。また、今回の金額300万円に関する費用明細(例:労務費の内訳等)も念のためご用意ください。今回の技術指導では、役務提供者である日本のB社に源泉税が課税されます。この源泉税は、原則、送金前に役務受益者であるA社が代理納付することになります。
今回のケースにおける銀行と税務局での手続きの流れは、①契約書・請求書を税務局に届出、②税務局で査定利益率の確定、③企業所得税・増値税等の納税(A社が中国にて代理納付)、④銀行で送金手続き となります(※送金金額が5万米ドル以下の場合)。期間は①~④まで1ヶ月以上かかるケースもありますのでご留意下さい。
次に、この対価に対する課税額ですが、ご注意いただきたいのは、企業所得税額は上記②で説明した税務局で最終判断される「査定利益率」に基づき確定する点です。
査定利益率の根拠は「非居住者企業所得税査定徴収管理弁法(国税発【2010】19号)」第5条(http://www.chinatax.gov.cn/n810341/n810765/n812161/n812579/c1086092/content.html ) で規定されており、例えば「請負工事、設計及びコンサルティング」の場合の査定利益率は15~30%となります。
今回のご質問の件について、納税額の試算を行う場合、下記の「表1納税金額計算表(イメージ)」をご参考ください。本件は査定利益率を30%と仮定して計算しております。

 

 

上記より、契約金額3,000,000円に対する納税金額の合計は⑨の392,263円となり、実際に送金できる金額は⑩の2,607,737円となります。
今回は、契約金額が5万米ドル以下のケースを例に挙げておりますが、5万米ドルを超過する場合は税務局・銀行における手続きが異なる点にご留意ください。

 

以上
綺羅商務諮詢(上海)有限公司 佐藤

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