きらぼし中国ビジネスQ&A

第 106 回「現在の上海の街の様子は?」

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<質問>
上海現地法人に勤務している者です。新型コロナの影響でこの1ヵ月半、在宅勤務及び社用車による自宅と会社を往復する毎日でほぼ外出をしておりません。最近は少しずつ夜も明るくなってきたかなと感じているのですが、現在の上海の街の様子はどうなっていますでしょうか?

<回答>
防疫に向けて厳戒態勢が続く上海でのご勤務お疲れ様です。セントラルエアコンがコロナの空気感染リスクを増大させるとの理由で多くのオフィスビルでエアコンがつけられず大変寒い思いをされていたかと存じます。最近暖かくなってきてようやく一息ですね。
さてご質問の件ですが、まず上海市経済和信息委員会は3月8日までの上海企業の営業再開状況を発表しており、それによると同日までの再稼働率は工業企業(年間売上2,000万元以上)97%、 スーパーマーケット98.8%、電商業界・農産物卸売市場100%、野菜市場98%、飲食サービスは 62.6%となっています。(※1参照)
21時台に繰り上げられていた地下鉄の終電時刻も概ね正常に近い状態に戻され、朝のラッシュ時間帯も一部の駅で混雑緩和のため入場制限を継続していますが、週毎に乗客は増加しており上海はマスクと検温を除けば日常を取り戻しつつある印象を受けます。
他方、飲食店の出前サービスを代行する美団外売の上海市の配達員の新規登録者数が企業活動再開後の約1ヵ月で7万人にも達したとの報道がありました。詳細な分析はこれからになりますが、多くの企業で生産縮小、人員削減等が行われているためだと推測され、新規配達員に登録した多くの人たちは製造業やサービス業での失業者とみられています。上海復興の裏で人々の生活に大きなダメージを与えられていることがうかがわれます。
上海市内の観光施設の稼働状況に目を向けますと、短縮営業や人数制限、予約制等の制限はあるものの、多くの施設が再開を果たしています。以下に一部を紹介します。


上海市全体で352ある公園のうち、補修や改造を理由とした一時閉鎖中の17の公園を除き3月20日までにすべての公園が再開されています。週末の人手がどれほどかと23日に豫園と外灘に行ってみました。春節直後に比べれば多くの人がいましたが、地方からの団体旅行者や海外旅行者がいないせいか平常時に比べて随分のんびり散歩ができました。
感染拡大が一段落し、経済活動の本格化が期待される上海ですが、春節以降の国内経済活動の停滞に加え、最近では欧米やアジアでの感染が拡大しており、世界景気全体の低迷が顕著になりつつあります。新型コロナが世界経済に与える影響は未だ底が見えず、復活を果たしつつある中国経済が今後どのような成長軌道(もしくは下降?)を描いていくのか注視していく必要があります。

 


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以上
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