上海駐在レポート

第 83 回「中国のコンビニについて」
最近の中国では、ネット通販やフードデリバリーの機能が発達しており、これらサービスを利用している方が非常に多いですが、筆者はちょっとした物を買いたい時は、近所のコンビニもよく利用しています。今回は、中国のコンビニ事情をレポートしていきます。
 
○ 中国のコンビニ市場
【2016年中国と日本の市場比較】
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(中国連鎖経営協会、中国国家統計局、経済産業省等HP参照)
中国の国内におけるコンビニ業界の売上高は、1,334億元(約2.3兆円)となっております。中国の全小売売上高が約33兆元(約561兆円)でコンビニの売上高は全小売売上高の約0.4%程度です。日本では同約7.8%となっており、小売売上高に対するコンビニ売上高の割合は中国では日本ほど大きくない事が分かります。
コンビニの店舗数は、中国では約9.8万件、日本は約5.8万件と店舗数では中国が日本を上回っていますが、コンビニの売上高は、日本が上回っています。これは2018年1月号でもレポートしましたように、モバイルネット通販の普及により、コンビニよりも通販等で物を購入する利用者が多くなっていることが要因であると推察されます。(右図参照)。
 
 
○ コンビニの店舗数
【2016年中国コンビニ店舗数ランキング】
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(中国連鎖経営協会参照により筆者作成)
中国国内で展開するコンビニブランド数は260以上あります。その中でもガソリンスタンドを経営する中国石化販売有限公司の「易捷(イジエ)」と中国石油販売公司の「崑崙(クンルン)好客(ハオク)」のブランドである2社の出店数は、合わせて約4万2,000店と、中国全土のコンビニ店舗数の約半分に迫る程の店舗数を誇っています。
ガソリンスタンド系のコンビニを除いて店舗数が最も多かったのは広東省の東莞市に本社を置く「美宜佳(メイイジア)」の9,300店、続いて同じく広東省の広州市に本社を置く「天(ティエン)福(フー)」が4位で3,311店舗となっています。(次頁図参照)。
主に広東省で店舗展開を図る美宜家は、1997年の創業以来、工場勤務の労働者をターゲットに珠江デルタ地域の市場を開拓、8,000店舗超が広東省内にあります。売上高は約100億元(約1,700億円)で、 中国のコンビニ売上高の市場シェアの約7.5%に達する勢いでシェアを拡大させています 。
その他にも日系コンビニ企業では、「ファミリーマート」が1,810店舗(第7位)、「セブンイレブン」1,371店舗(第11位)となりました。
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【美宜佳】 【天福】
 
 
○ 中国都市便利店指数
【2016年中国都市便利店指数ランキング】
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(中国連鎖経営協会参照により筆者作成)
また、右記コンビニの店舗数のランキングの他にも中国連鎖経営協会は、「中国都市便利店指数」というランキングを発表しました。この指数は中国のコンビニ店の状況を4つの指標(①コンビニ店舗増加率②店舗飽和度③24時間営業比率④政策サポート度合い)の総合分析に基づき指数化し都市毎にてランキングとして発表したものです。この中でも深セン市は全国1位でランクインされています。
 
○ 終わりに
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【無人コンビニ EASY GO】
中国の小売業界では、ネット通販が急成長しており、実店舗中心の小売業の経営が苦境に立たされています。コンビニの他にも百貨店や繁華街でも消費が鈍化している店舗が増加しているようです。
小売業界の競争が激化している中、コンビニ業界においては、ネットと実店舗の融合させた無人コンビニなる従業員を置かないコンビニも中国各都市で出店しています。深センにもまだテスト段階の店舗でしたが「EASY GO」(右記写真参照)と呼ばれる無人店舗のコンビニも誕生しました。今後無人店舗のコンビニの急速な出店も見込まれており、中国の小売業界、コンビニ業界がどのように変化していくのか注目していきたいと思います。
 
(1元≒17円)
以上 
深圳駐在 掛川 貴史
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