はじめまして。10月より新しく上海に赴任しました小林です。赴任前に抱いていた中国の印象は、新聞やテレビ報道などから多くの日本人が感じている印象と相違なく、ＰＭ2.5、鳥インフルエンザ、尖閣問題による反日デモ等決して良いものではありませんでした。しかし実際に生活してみると、思っていた印象と異なることも多くありました。

今回のレポートでは、小職にとって初めての海外生活である中国での第一印象を、生活に欠かせない「ヒト・モノ(サービス)・カネ」に注目してご紹介したいと思います。

 

中国人と言えば、威圧的に話をするイメージが強いです。人口13億人の中には様々なヒトがいるにも関わらず、なぜか文頭のイメージが強いと感じている方も多いと思います。小職も同様のイメージを持ち、更に日本人に対しては反日感情から厳しい視線が向けられるものと考えていました。実際、空港に着いて初めて話したタクシーの運転手に中国語で行き先を告げた時に、怒ったような顔で「ア～」と言われ、まくし立てるように話されたことを覚えています。ただそれは小職が先入観で抱いていた、反日感情に対する態度ではなかったのです。実際、自宅までの道中、「日本から仕事で来た」と中国語で話しかけてみると、嫌がらずに向こうからも「日本語で謝謝(ありがとう)、再見(さようなら)は何と言うのか」と、非常にフレンドリーに接してくれたのです。タクシーの運転手だけでなく共に働く現地スタッフの方も含め、中国人は話をすることが好きな人が多く、中国人に対して好感を持つことができ、赴任前の印象とは大きく変わりました。

上海では、生活をする上で必要なモノ(サービス)は全て揃っています。地下鉄、バスなど交通インフラは整備され、日系のコンビニ・百貨店も多く目につき、日常生活で困ることはありません。このことは赴任前と後での印象は変わりませんでした。ただ、日本に比べ交通機関の利用に掛かる費用の安さには驚きました。タクシーは初乗り14元(224円)、地下鉄は3～4元(48～64円)、バスは市内であれば2元(32円)と日本に比べ破格の値段でした。タクシーの価格の安さに浮かれ、ついついタクシーを利用する機会が増えてしまいます。

また、飲食店などの価格帯の広さも中国国内での一つの特徴であると思われます。例えば、昼食の時間帯での一般的な飲食店での価格帯は約40～50元(640円～800円)程度と日本と変わらないものですが、ローカルな食堂であれば約15元(240円)程度で十分な食事ができます。また、飲食店に限らず、他のモノ・サービスにおいても同様な価格差が存在していると感じられます。このようなところからも中国で深刻な問題となっている所得格差の一部分を垣間見ることができました。

中国のおカネは、日本に比べ非常に細かい単位で分けられています。

中国の紙幣は100元札、50元札、20元札、10元札、5元札、１元札、5角札、通貨は１元、5角、1角、5分、1分とあります(1元＝10角、１角＝10分)。日本を出発する前に羽田空港で両替をしましたが、10万円分両替すると、約5,900元に両替され、お札の枚数が59枚と到底財布には収まりません。これからの中国生活の為にも中国使用の財布を買わなければいけないなと感じつつ、飛行機に乗ったことを覚えています。

初めて中国の紙幣を見て興味深いと感じたことは、表面が全て毛沢東であり、お札の色と大きさで区別されている点、裏面の「中国人民銀行」の文字が複数言語で併記されている点です。調べてみるとアルファベット表記、モンゴル語、チベット語、ウイグル語、チワン語で表記されているとのことで、多くの民族が共存する中国ならではだと感じまし。