上海駐在レポート

第 104 回「中国上海への入国体験談」

現在、中国へ入国可能な外国人は「有効な居留許可を所有している人」、あるいは「中国大使館で新たにビザの申請を行った人」に限定されています(※参考12)。
また、中国入国後は14日間の指定場所での集中隔離が必要です。なお、7月27日より、上海に自宅がある人は「7日間の指定場所での集中隔離+7日間の自宅隔離」(※参考3)が可能となっています(ただし、同乗の陽性者と濃厚接触者であると判定された場合や、自宅隔離不可の住居である場合等を除きます)。
筆者は1月末に日本に一時帰国し、6月に新たにビザを申請・取得、9月25日に中国上海へ入国、その後14日間の隔離期間を経て10月9日より通常の生活を過ごしています。本レポートでは筆者の実体験を基に日本での出国時の手続きや中国上海の入国手続き、その後のホテル・自宅隔離についての流れをご紹介します。

 

◆出国前に準備すべき必要書類

ビザの申請手続き以外に、11月8日以降の搭乗時にはPCR検査・抗体検査の陰性証明書の提出が必要です(9月25日以降11月7日までの搭乗時にはPCR検査の陰性証明のみ)。証明書は、指定検査機関で取得しなければならず、検体採取日が搭乗日の2日前以内のものである必要があります。なお、コピーの提出を求められましたので、原本と合わせて持参されることをお勧めします。
筆者の搭乗日時点では発行日基準で搭乗日の3日前以内の証明書の提出を行えば良かったので、渡航前に祝日(4連休)が重なったこともあり、9月18日に検査受診、23日に発行された証明書を持って、25日に搭乗しました。指定検査機関については、中国駐日本国大使館HPをご参考ください。また、必要発行日数は検査機関により異なりますので、事前にご確認ください。

 

◆渡航日当日(@成田空港)

筆者は、9月25日の東方航空のフライト(15時40分発/17時50分着)で渡航しました。
· 10時40分 成田空港到着
この時間から列ができ始めました。列に並んでいる際に、①チェックインに必要な「旅客情報記入表」、②中国入国後にQRコードの提示が必要となる「掌上海关」アプリの取得についての説明がありました。②の入力ですが、アプリ内「健康申报」をクリックし、各情報(名前、職業、パスポート番号、飛行機の便名・座席、携帯電話番号(中国国外番号も可)、中国国内連絡人、連絡人の電話番号、中国国内の居住住所、14日以内に滞在していた都市等)を入力します。なお、飛行機の座席の入力が必要なので、チェックイン後に入力し、入力後に表示されるQRコードをスクリーンショットしておくことをお勧めします。
· 12時15分頃 チェックイン開始
未标题-3.jpg チェックイン時にPCR検査の陰性証明のコピーを提出> します。なお、通常より時間を要しますのでご注意ください。また、成田空港自体は混んでいないので、チェックインが終われば搭乗口までスムーズに進むことができます。ちなみに、飲食店は出国前エリアの一部のみオープンしていました。
· 15時 搭乗開始
16時過ぎに離陸し、中国時間17時40分に着陸しました。機内食は、水1本・ジュース・パン2つのみです。

 

 

◆渡航日当日(@上海浦東空港)

着陸後からホテルに向かうバスまではまるで迷路のように道が作られており、道に沿って順番に手続きを進めていきます。
筆者の場合、17時40分に着陸し、上海市内のホテルに到着したのは22時20分頃、部屋に入れたのは0時を過ぎていました。下記に時系列で手続きの流れを記載します。

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空港での隔離受付時に未标题-10.jpg宿泊ホテルの案内がなかったためスタッフに聞いたところ、「この区はAホテルか、Bホテルだが、多分今日はAホテルだろう」程度の情報を教えてくれました。実際にホテルに到着するまでは、どこのホテルに宿泊するか分かりませ ん。
ホテル到着後は受付で一人ひとり順番に説明を受け、4枚の書類に基本情報を記入します(説明は中国語or英語)。基本情報は、氏名、パスポート番号、自宅の住所、携帯電話番号等です。その場で宿泊費7泊分+水24本分(合計:3,538元)とPCR検査代(1回分120元)を請求され、支払い(支付宝/アリペイ)をします。部屋に入れたのは0時過ぎでした。

 

 

◆隔離ホテルでの滞在(9/25~10/2朝)

隔離ホテルでの滞在は7泊(10/2の朝6時半に退去)でした。その間は一歩も部屋の外へ出られません。下記に一日の流れを記載します。

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ホテルでの規則については以下の通りです。
· 食事の出前は腐りやすいもの以外に限り可能、生活必需品は友達にホテルの門まで届けてもらうOR宅配可能(部屋に届けてもらうタイミングは食事と同じタイミングのみ)。
· 窓の開閉可能、エアコンの利用可、喫煙は禁止(違反時は1回1,000元の罰金)。
· シャワー・トイレ別、ハンガー約10個、ケトル・ミニ冷蔵庫あり。
· タオルの追加(無料)や、その他トイレットペーパー・シャンプー等の追加(有料)の連絡は、ホテルの電話で依頼。
また、5日目の午前中に部屋でPCR検査(鼻片方と喉)を受診します。同日に「同乗者に陽性者がいたが、席が離れていたため7泊で自宅に戻れます。自宅の住所を再度確認したい。」と部屋の電話に連絡がありました。7日間のホテル隔離+7日間の自宅隔離の申請をしていても、場合によっては却下される可能性がありますのでご注意ください。
退去日前日に「明日の朝6時半までに、退去する準備をして部屋で待っていてください」との連絡がありました。9月2日の朝6時半過ぎに部屋に出て、ロビーで待機。待機中にPCR検査の結果を渡されます。7時半頃バスに乗車し、自宅まで送迎してくれます(約8名乗車)。
筆者のホテルでは、連絡は全て電話(基本中国語)でしたが、ホテルによってWechatのグループを利用するケースもあり、規則や運用が異なります。

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◆自宅での滞在(10/2~10/9)

自宅へ移動後も、ドアにセンサーを設置され、外に一歩も出ることはできません。
ホテル隔離の時と同様、午前中に1回、午後に1回、巡回スタッフが体温の計測に来ます。また、10月7日(隔離期間12日目)に3回目のPCR検査を受診し、翌日WechatでPDFの検査結果が送られてきます。なお、外に出られないので、食事は全て宅配です(宅配の方に会わないよう、注文時に「ドアの前に置いてください」と伝えます)。スーパーの野菜等も宅配で頼めるので、自宅で料理をすることも可能です。
最終日、10月9日午前中に隔離解除告知書を自宅下の受付で受取り、無事隔離が終了しました。

 

◆最後に

中国入国後の隔離は14日間ですが、宿泊ホテルや自宅によって解除のタイミングが異なりますので、ご注意ください。筆者の場合は、9日午前中に自由に外出できましたが、「飛行機が着陸した夕方まで」、あるいは「10日の0時まで」という方もいました。
この一連の手続きは変更される可能性がありますので、その都度最新の情報を入手されることをお勧めいたします。
最後に、筆者が入国に際して負担した費用を参考までに記載します。

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·10月20日時点の情報に基づき執筆
·1元=15.7円にて計算

 

以上
綺羅商務諮詢(上海)有限公司 佐藤

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